本研究は認知を持つ高齢者の「つながり感」と痴呆の行動と心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia:以下、BPSD)との関連性を明らかにすることが目的である。 まず、医学系やその他の文献検索エンジンを用いて、認知症高齢者やBPSDに関する文献を検索して、そめ中でつながり感やBPSDの評価尺度を探し、文献検討を行った。先行研寫から認知症高齢者のBPSDの評価尺度が見つかり、使用の可能性を検討中である。 また、学会参加によって情報を収集し、認知症高齢者やBPSDに関する最近の知見を得た。ディスカッションを行い、調査施設や対象者の選定に関する教示を得た。 研究計画の作成にあたり、高齢者看護に精通する研究者のスーパーバイズを受けた。今後倫理委員会め審査や臨地調査が必要であるため、今後も継続してスーバーバイズを受ける予定である。 次に、参加観察法を用いて調査を行うために、調晒方法・対象者・場所の具体的な設定の調整を病院関係者や施設と行った。病院や施設において、対象者への倫理的配慮やデータの取り扱いについて示唆を得た。さらに病院では、プレテストにより参加観察の視点および手法の確認を行い、内容について再検討を行う予定である。 今後、臨地調査を行い、つながり感に関するデータを収集し、質的・帰納的分析を行う予定である。得られたデータからつながり感の観察可能なデータのカテゴリ化を行う。さらに、つながり感の評価の可能性を検討するツールとしてBPSD評価尺度を併用し、つながり感とBPSDの相関を見る予定である。
|