研究課題
本研究では、申請者の所属研究グループが世界に先駆けて発見した、骨形成を促進する血小板由来タンパク質の作用機序の解明と将来的な臨床応用を目指し研究を行った。前年度に目的タンパク質がin vitroおよびin vivoでBone Morphogenetic Protein(BMP)シグナルを増強する事が確認された。そこで、今年度は目的タンパクの作用機序解明のため、細胞内BMPシグナル調節機構の解析を進めた。BMPによる細胞内シグナル伝達には転写因子Smad1とCo-SmadであるSmad4が重要な役割を果たすことが知られているが、BMPによる骨芽細胞分化誘導についてはSmad1が、筋分化抑制にはSmad4がそれぞれ重要である事が明らかとなった。またSmadの脱リン酸化を調節するホスファターゼと報告されているSCP1はSmadの脱リン酸化に依存せず、さらに下流の因子をも調節していることが明らかとなった。さらに、形態形成誘導因子であるWntがBMPと協調的に骨芽細胞分化を誘導し、そのメカニズムはGSK3β依存的かつβ-catenin非依存的であることが示された。従って、目的タンパク質の作用機序として、SCP1やWntなどの因子を介したBMPシグナル増強への影響を検討する必要があると考えられた。
すべて 2011 2010 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (9件) 備考 (1件)
Biochem Biophys Res Commun
巻: 407(1) ページ: 213-218
Mol Endcrinol
巻: 25(3) ページ: 474-481
Differentiation
巻: 80(1) ページ: 46-52
J Biol Chem
巻: 285(20) ページ: 15577-15586
J Antibiot
巻: 63(4) ページ: 151-155
http://www.saitama-med.ac.jp/genome/Div04_PPhysiol/index.html