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2010 年度 実績報告書

静止期破骨前駆細胞(QOP)を用いた歯周病病態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21890274
研究機関松本歯科大学

研究代表者

武藤 昭紀  松本歯科大学, 歯学部, 助教 (50549433)

キーワード歯周病 / 骨吸収 / 破骨細胞 / ケモカイン / 骨粗鬆症
研究概要

歯周病は、歯槽骨の吸収により歯が失われる病気である。歯周組織への細菌感染により、歯肉の炎症や破骨細胞による骨吸収が惹起され、歯周組織が破壊される。そこで本研究では、歯周病の病態解明のために、以前我々の同定した、増殖することなく破骨細胞に分化する前駆細胞(cell cycle-arrested quiescent osteoclast precursors : QOP)に着目して、本研究を進めた。平成22年度に計画したQOP画分[RANK^<high>, Fms^<low> : RANK(+)細胞]のマイクロアレイ解析において、各種遺伝子マーカーの解析を行った。QOPはFms(+)細胞[RANK^<low>, Fms^<high>]と比較して、Emrl(F4/80)、Itgam(CDllb)などのマクロファージ系マーカーは低い値を示したのに対して、Car II(Carbonic anhydrase II,Mmp9(matrix metalloproteinase 9)、Acp5(acid phosphatase 5)、Tfrc(transferrin receptor)などの破骨細胞系マーカーは高い値を示した。また、QOPを電子顕微鏡にて形態的に破骨細胞およびF4/80陽性細胞(マクロファージ)と比較したしたところ、QOPはより破骨細胞に近い所見を示した。以上より、生体内のQOPはマクロファージより破骨細胞に近い細胞と考えられる。本期間中に研究目標であるQOPの遊走因子の解析までは至らなかった。しかしながら、QOPの性状を詳細に解析し、より破骨細胞に近い細胞であることを明らかにした。よって更なる解析によりQOPの遊走因子を解明することにより、歯周病により誘導されるQOPの遊走因子を同定し、最終的にQOPの分化と遊走をコントロールした歯周病治療を含む、骨疾患治療指針の確立することができると考える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Identification of cell cycle-arrested quiescent osteoclast precursors in vivo.2010

    • 著者名/発表者名
      Takahashi Naoyuki
    • 雑誌名

      Adv Exp Med Biol

      巻: 658 ページ: 21-30

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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