研究概要 |
<研究目的>脳卒中失語症患者と交感を成立させている看護師の特徴を明らかにすること. <研究方法>場面観察に基づくエピソード記述を行い,質的記述的デザインとした. <調査期間>2010年8月~10月 <研究参加者>回復期リハビリテーション病棟に入院する脳卒中失語症患者とそのケアに携わる看護師で,研究の同意が得られた人とした. <データ収集方法>参加観察とインタビューとカルテなどの記録物をデータ収集した. <データ分析方法>観察内容を踏まえて記述したエピソードを,脳卒中失語症患者と交感を成立させている看護師の特徴に着日しながら解釈した. <倫理的配慮>当該施設の所属長の承認を得た研究計画書に沿って,本研究を依頼,実施した.研究の趣旨や匿名性の保持等について,患者に合わせたコミュニケーション手段と文書を用いて説明し,患者の家族あるいは重要他者が同席のもと,研究参加の同意を得た. <結果>以下の特徴が抽出された.【患者の視線を自分に合わせようとする】【物を示しながら患者に声をかける】【患者にゆっくり声をかける】【ジェスチャーを活用する】【患者に触れる】【時間をかける】【患者の気持ちを代弁する】 <考察>脳卒中失語症患者と交感を成立させている看護師には,患者が戸惑いなく身を委ねられる振る舞いや働きかけがあることが示唆された.つまり,交感が成立させている看護師には,患者のペースや世界に合わせて寄り添う特徴があると考えられた.
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