研究概要 |
〈Aim#1:膵幹細胞に関する研究〉 膵島幹細胞に関して、我々は以前より成体内でその候補と成る細胞群を規定してきた(2001 J Clin Inves, 2003,2006,Science)。さらに脾臓に由来した幹細胞の候補となる細胞群を、新たに細胞径による物理的な細胞選別で比較検討したところ、同一個体内の膵-脾に類似細胞が同定する事が可能であった。Insulin-Promoter derived GFPマウスを用いたin vivoの実験では、EGFP negativeでSize restricted small cellsを尾静脈よりhost (syngenic recipient mice)に注入し、donor chimeraをhost膵臓から検出している。このプロジェクトに関する、Harvard Medical School, MGHのFaustman博士らとの共同研究から、iPS細胞の初期化遺伝子として知られる、Oct3/4、Sox2、c-Myc、Klf4、Nanogらがhost脾臓でmRNAレベルとして高発現していた(Int J Biochem & Cell Biol, 2010,42(10):1651-60)。 〈Aim#2:組織工学的な手法を用いた膵島再生〉 膵島細胞を単細胞化した細胞群と生体マテリアルとの混合培養を行い、早期に三次元培養への移行が可能であるか、試行中である。当初の予定であるSerpine1蛋白との培養に加え、更に生体内吸収マテリアルであるCollagenに配向性を加えた新開発マテリアルも併用し3次元培養を試みた所、新たな生体内吸収性マテリアルとして膵島を再編し再生する事が明らかとなった。
|