KK-LC-1陽性の非小細胞肺癌患者における液性免疫応答の解析と血清抗体価の高い患者検索のために、これまで非小細胞肺癌の230例の手術検体からmRNAを抽出し、RT-PCR法にてKK-LC-1の発現の有無を判断した。KK-LC-1発現の陽性が確認できた患者血清の凍結保存より、2003~2005年のKK-LC-1陽性患者血清30例およびKK-LC-1陰性患者血清30例を対象に、ELISA法にて、KK-LC-1に対する抗体価の検出を行い、2例においてKK-LC-1陽性肺癌患者血清有意に高い抗体価を示した。 この2症例を検討したところ、2症例ともHLA-A2陽性であり、さらに1例はHLA-A24陽性であることがわかった。この2症例はそれぞれ、手術中に採取したリンパ節リンパ球が凍結保存されている(3x10^7、8x10^7)。現在Reverse immunology法によるCTLの誘導の準備を開始した。2回MLTCを施行したが、腫瘍特性を持つBulk CTLの誘導は出来なかった。そこで、新たな方法として、KK-LC-1を同定した、自己のF1121症例の所属リンパ節リンパ球を用いて、F1121の樹状細胞にペプチドをパルスする方式のMLTCにて、CTLの誘導を試みた。A2拘束性のBulk CTLの誘導が出来、現在限界希釈法にてCTL cloneの同定を進めている。
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