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2010 年度 実績報告書

マウス養育中枢に発現する神経ペプチドが養育行動の各要素に果たす役割の遺伝学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 21890307
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

恒岡 洋右  独立行政法人理化学研究所, 黒田研究ユニット, 研究員 (50549011)

キーワード養育行動 / 遺伝子改変マウス / 視床下部内側視索前野 / オキシトシン / バソプレシン
研究概要

神経ペプチドのオキシトシン及びバソプレシンは哺乳類の養育行動制御において最も重要な分子の一つであると考えられている。マウスの脳内養育行動中枢である視床下部内側視索前野(MPOA)にある前交連核(ACN)近傍には神経内分泌細胞であるオキシトシン、サイトロトピン放出ホルモン(TRH)の産生ニューロン及びバソプレシンの神経線維の存在が確認されている。本研究では、これらの神経ペプチドの発現とメスの養育行動との関連について調べることを目的とした。特にこれらの3つの神経ペプチドが養育行動の発現において冗長的機能を持つ可能性に着目し、これらの神経ペプチドのレセプターまたはリガンドの各ノックアウト(KO)マウスを交配させ、最大で4種の遺伝子を破壊したKOマウスを作製し、その養育行動について調べた。その結果、未経産メス及び産後メスのいずれも養育行動の開始時間、養育行動を行った時間、仔にまたがり保温もしくは授乳していた時間、仔を舐めていた時間、巣作りをしていた時間、巣の状態について全ての遺伝子型間で有意な差は検出できなかった。オキシトシンとバソプレシンは養育行動を含む哺乳類の多くの社会行動の制御に重要であることが示唆されてきた。しかしながら、本研究ではオキシトシンとの相同分子であり機能に冗長性の示唆されるバソプレシンの機能を破壊してもマウスの養育行動に影響を与えなかった。このことは養育行動においてこれらの分子が種間及び異なる環境間で大きく異なる作用を持つ、もしくは養育行動の中でも非常に限定的な状況にのみ作用することを示唆している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Role for the anterior commissural nucleus and adjacent areas in regulating mouse maternal behaviour2010

    • 著者名/発表者名
      恒岡洋右
    • 学会等名
      The 4^<th> International Conference on the Parental Brain
    • 発表場所
      Edinburgh, Scotland
    • 年月日
      2010-09-02

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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