本研究の目的は酸化修飾したDJ-1タンパク質に特異的に反応するモノクローナル抗体を用いたELISA測定系を構築することで、パーキンソン病の簡易診断法の開発を目的としている。本年度は主としてパーキンソン病、アルツハイマー病、健常者の血液中の酸化DJ-1タンパク質の定量と、パーキンソン病モデル動物の作成と、血液および脳組織内での酸化DJ-1タンパグ質の測定を検討した。 (1)アルツハイマー病およびパーキンソン病患者検体中の酸化DJ-1測定 パーキンソン病の早期診断への応用を目的として、酸化DJ-1特異的な抗体を用いたELISA測定系の確立と神経疾患(特にパーキンソン病とアルツハイマー病)による変動を測定した。その結果、薬物治療を行っていない未治療パーキンソン病およびアルツハイマー病患者の赤血球中において、顕著な酸化DJ-1の上昇が認められた。 (2)パーキンソン病モデル動物中の酸化DJ-1の変動 6-hydroxydopamineおよびMPTPを投与することによって作成したパーキンソン病モデル動物の赤血球中および脳組織中(特に中脳黒質)において、有為な酸化DJ-1の上昇が認められた。 上記記載の通り、本年度の予定に対して研究を遂行し、国際誌1報に投稿予定である。
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