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2009 年度 実績報告書

法医学分野におけるヒロトニン遺伝子を用いたイヌの個体識別法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 21933001
研究機関広島県警察本部

研究代表者

中木 真一  広島県警察本部, 主席研究員

キーワードセロトニン遺伝子 / 一塩基多型 / イヌ
研究概要

犯罪現場から採取された試料がヒト由来であることの証明やヒト以外の動物種であることを特定する科学的作業は,法医学上しばしば要求される。昨今のペットブームや犯罪の多様性を受け,犯罪現場から採取されるヒト以外の動物由来試料は増加しており,それらの試料から動物種の特定のみならず,動物の個体識別が可能になれば飼い主の特定につながるなど,その検査結果は犯罪捜査に大きく寄与するものと期待されている。
近年盛んに研究されている性格遺伝子は,そのDNA多型が動物の性格や行動などと深く関与するものと考えられており,中でもセロトニン遺伝子(5-HTR1B遺伝子)はイヌの攻撃性に関与するものとして注目されている性格遺伝子の一つで,6つの一塩基多型が存在することが報告されている。本研究ではこの多型に注目し,一塩基多型を検出する6種類のプライマーを設計し,簡便な多型検出法を検討した。その結果,本研究で用いた8品種を含む108個体のイヌから6ヵ所の一塩基多型が検出された。得られた多型のパターンから,品種を問わずイヌの個体識別は可能であった。また,本研究で用いた方法は,鋳型DNA量が1ngから多型検出が可能であった。
既に報告のある品種と今回用いたボーダーコリー種(74個体)の多型の分布を比較したところ,品種によって多型の分布に偏りがあることが伺われ,本方法により品種の推定も可能と考えられた。また,この方法をヒト,ネコ,オオカミのDNAに用いたところ,オオカミのみ多型が検出された。したがって,本方法はイヌあるいはイヌに近いとされる動物種に特異性があるものと示唆された。
以上の結果から,本方法はイヌの塩基配列を比較することなく,目的の多型のみを簡便に検出することが可能であり,その多型はイヌの個体識別に有用で,実務に利用できる方法であると考えられた。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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