研究実績の概要 |
最終年度となる2022年は、コロナの影響からだいぶ回復し、出張を再開して報告・意見交換等を行うと同時に、いくつかの論稿を発表した。また、漁業の喫緊の課題である、気候変動への影響についても、各地域漁業機関がどのような対応をしているかも含め、研究を進めた。その成果として、”Regulatory and Policy Frameworks for Offshore Wind Projects: Spatial and Temporal Considerations in Light of Fisheries Sustainability amid Climate Change”と題する論稿を、ベルゲン大学のIgnacio Herrera Anchustegui先生と共著で執筆し、Oil, Gas & Energy Lawの海洋資源への投資・活動に焦点をあてた特集号へ掲載した。これまで研究を重ねてきた持続可能な漁業を、気候変動の問題が起きる中でどう合わせていくかについて検討している。また、このような学術的な出版とは別に、国連食糧農業機関(FAO)からの依頼を受け、Legal report on the ecosystem approach to fisheries in Bangladesh: An analysis of the ecosystem approach to fisheries in selected national policy and legal instruments of Bangladeshの執筆に参加した。同報告書は、 EAF-Nansenプログラムの一環として執筆されるものである。専門家としての同レポートの執筆へ参加し、FAOの職員・専門家と意見を交わすことは、国際漁業法学者にとって大きな意義を有する。
|