研究課題
本研究ではオノマトペ表現と食感の関係について理解することを目的として研究を開始した。最初にオノマトペの利用に関する文化心理学的調査研究を行った。この研究では外国人が理解できるかどうかについて、日本(ポジティブコントロール)とロシア、タイでそれぞれ同じ調査を実施した。また、外国人では日本語の学習期間(全くないー3年程度の学習経験あり)も独立変数として設定した。その結果、日本語学習経験の有無はオノマトペ理解に影響を及ぼさないこと、タイ人はロシア人よりも日本語オノマトペの理解率が高いことなどが明らかとなった。次に、食感表現オノマトペがなぜ獲得されるのかについての生理心理学的実験を実施した。この実験では、参加者に様々な食品を摂取させ、摂取時の食感について時系列的に最も当てはまる形容詞(オノマトペ)を選ばせた(TDS法)。また、摂取時の咀嚼筋の活動を電気生理学的に計測し、咀嚼音も記録した。その結果、オノマトペ表現に関与する生理指標がいくつか存在することが明らかとなった。これらの結果から、オノマトペは咀嚼中の感覚を音声的に表現するものであり、少なくともアジア人にとっては共有できることが明らかとなった。本研究の知見を応用できれば、ある人が摂取している食物の食感をオノマトペで表現できれば、そのオノマトペ表現を通じてその人が摂取している食感を再現できるようになるだろう。つまり、食感のVR化や通信化が可能になると期待される。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
Foods
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