研究課題
これまで受入研究者らが独自に開発してきた有機Anti-ambipolarトランジスタについて、その応用展開を当該特別研究員が取り組んできた。近年有機トランジスタの集積回路の開発は活発に進められているものの、微細加工技術が適用できないため集積度の向上は遅々として進んでいない。そのため従来型のノイマン型素子とは異なる非ノイマン型素子の開拓が望まれてきた。これに対し当該特別研究員は論理値やメモリ値を多値化することにより解決できることを示した。この研究の新規性はトランジスタのチャネル中央部にはpnヘテロ界面を有するため、ドレイン電流の増加だけでなく減少も制御できるという極めてユニークな特長に立脚している。その結果、多値演算回路・メモリと演算の融合・フレキシブル基板上での動作実証・光による特性向上など多くの成果を挙げている。これらの成果は既存の研究分野の単なる延長線上にあるものではなく、有機エレクトロニクスに新しい分野を開拓したという意味で非常に意義深いものとなっている。主に受入研究者が指針を提示して、当該特別研究員が実験を実施するというような分担で研究を進めてきたが、当該研究員の独自のアイディアにより予想以上の成果が生み出されることもあり、その研究能力やコミュニケーション能力は高く評価できる。実際、高インパクトジャーナルに多くの論文が掲載されてきた。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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