研究課題
光リザーバコンピューティングは、光の物理過程そのものを複雑な相互作用を含んだ計算リソース(リザーバ)と見なし、リザーバと観測系の結合部のみを学習の対象とする計算原理であり、簡易な構成でありながら高度な機能を発揮する機械学習手法として近年注目されている。特に、光の高速性を生かした時系列予測などの応用で顕著な効果が示されている。しかし、従来研究におけるリザーバは、単一の光ファイバーを用いた単純な光遅延に基づいている。本来、光を用いたリザーバにはより一般的で普遍性の高い構造を想定できる。本研究は光リザーバコンピューティングに基づく機械学習の計算能力の解明を目的とし、具体的には、当該特別研究員Roehm博士が世界に先駆けて切り拓いた、複数の光遅延を組み合わせた新たなリザーバの極限性能の解明を目指す。さらに、光リザーバコンピューティングの目標機能として従来の時系列予測だけでなくデータの生成機能等へ拡大することを目指す。研究2年度目である当該年度は、初年度の整備した研究環境を用いてリザーバコンピューティングの性能評価を進捗させた。特に、リザーバコンピューティングにおける信号のサンプリング頻度と、時系列の自律的再生能力を詳細に分析し、リザーバコンピューティングが適性に動作するためのサンプリング頻度が存在することを示した。これはデータ生成に向け基礎となる結果でもある。当該研究は国際会議JKCCS2023においてBest Paper Awardを受賞した。また、リザーバコンピューティングに限らず、光を用いたコンピューティングに関する協働研究に積極的に関与し、複数の原著論文の出版に貢献した。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
すべて 2023 2022 その他
すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Complexity
巻: 2023 ページ: 2794839-2794839
10.1155/2023/2794839
Physical Review A
巻: 107 ページ: 012222-012222
10.1103/PhysRevA.107.012222
Physical Review E
巻: 107 ページ: 014211-014211
10.1103/PhysRevE.107.014211
Entropy
巻: 25 ページ: 146~146
10.3390/e25010146
Physical Review Applied
巻: 18 ページ: 064018-064018
10.1103/PhysRevApplied.18.064018
巻: 2022 ページ: 9021583-9021583
10.1155/2022/9021583
IEEE Access
巻: 10 ページ: 57630~57640
10.1109/ACCESS.2022.3179113
http://www.inter.ipc.i.u-tokyo.ac.jp/