研究課題/領域番号 |
21F30351
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
黒瀬 良一 京都大学, 工学研究科, 教授 (70371622)
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研究分担者 |
XING JIANGKUAN 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2021-07-28 – 2023-03-31
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キーワード | バイオマス / 石炭 / DNS / LES / 機械学習 / フレームレット |
研究実績の概要 |
脱炭素社会の実現に向けて再生可能エネルギーの重要性が益々高まっている。本研究では、バイオマスの揮発・燃焼モデルに詳しい特別研究員と、乱流燃焼流・分散二相流の大規模数値解析技術に豊富な経験を有する受入研究者とが共同で、バイオマスの更なる効率的利用に資するための①燃焼メカニズムの解明と②数値予測技術の精度向上に取り組む。具体的には、酸素-石炭/バイオマス混焼燃焼(oxy-coal/biomass co-firing (O-CBCF))に着目し、直接数値計算(Direct Numerical Simulation, DNS)による燃焼メカニズム解明、機械学習による揮発・反応モデルの構築、およびラージ・エディ・シミュレーション(Large Eddy Simulation, LES)の実機への適用、O-CBCF特性の解明を行うことを目的とする。2021年度は以下の成果を得た。 (1)O-CBCFの詳細反応機構を用いた乱流混合層のDNSを実施し、着火およびNOxやすす等汚染物質の発生特性など、燃焼メカニズムを詳しく調査し、その一端を明らかにした。 (2)石炭およびバイオマスの揮発モデルおよび反応モデルを調査し、最適モデルの選定を行った。また、その最適モデルを用いて、LESのためのフレームレットモデルを構築した。 (3)(2)で選定された揮発モデルおよび反応モデルを用いて多様な種類の石炭およびバイオマスの特性をデータベース化し、その機械学習を試みた。また、その結果得られたモデルが実験結果を良好に再現可能であることを示した。 以上の成果を3報の論文として国際ジャーナルに投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題は当初の計画通り順調に進展しており、これまで3報の論文を共著で投稿している。このまま順調に進めば、2022年度は計画を早期に終え、より発展的な内容まで進むことも期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度の成果を受け、2022年度は以下の内容を推進する予定である。 (1)2021年度に開発したO-CBCFの乱流燃焼混合層を対象としたDNSを、石炭-アンモニアおよびメタン-アンモニアの混焼場にも拡張し、既往実験結果との比較・検証を行う。さらに、これらの火炎の伝播メカニズムの解明を試みる。 (2)2021年度に構築したバイオマス燃焼に関するDNSおよびLESを、実際のSAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)の噴霧燃焼場に適用し、それらの適用性を検証するとともに、燃焼メカニズムを詳しく調べる。
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