研究実績の概要 |
脱炭素社会の実現に向けて再生可能エネルギーの重要性が益々高まっている。本研究では、バイオマスの揮発・燃焼モデルに詳しい特別研究員と、乱流燃焼流・分散二相流の大規模数値解析技術に豊富な経験を有する受入研究者とが共同で、バイオマスの更なる効率的利用に資するための①燃焼メカニズムの解明と②数値予測技術の精度向上に取り組む。具体的には、酸素-石炭/バイオマス混焼燃焼(oxy-coal/biomass co-firing (O-CBCF))に着目し、直接数値計算(Direct Numerical Simulation, DNS)による燃焼メカニズム解明、機械学習による揮発・反応モデルの構築、およびラージ・エディ・シミュレーション(Large Eddy Simulation, LES)の実機への適用、O-CBCF特性の解明を行うことを目的とする。2022年度に得た成果は以下の通りである。 バイオマス燃料の一種であるAtJ-SPK と一般燃料であるJet Aの混合燃料に対する簡略化反応モデルを提案した。また、ここで提案した簡略化反応モデルを用いた液体バイオ燃料燃焼の3次元DNSを実施することにより、そのモデルの妥当性を確認するとともに、燃焼メカニズムの一端を明らかにした。さらに、LESやReynolds-Averaged Navier-Stokes(RANS)シミュレーションのための燃焼モデル(混合燃料の異種蒸発を考慮可能なFlameletモデル)の構築を進め、その骨組みを考案した。加えて、アンモニア燃焼シミュレーションのためのNeural-ODE(NODE)モデルを提案し、その妥当性を1次元および2次元シミュレーションにより検証した.その結果、本モデルが極めて有効であることを確認した。 以上の成果を4報の論文として国際ジャーナルに投稿した。
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