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2021 年度 実績報告書

鉄クロム鋼の表面酸化膜の不働態機能に及ぼす照射と溶質元素の影響解明

研究課題

研究課題/領域番号 21F50058
研究機関東京大学

研究代表者

阿部 弘亨  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40343925)

研究分担者 SHI QUANQIANG  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2021-11-18 – 2024-03-31
キーワード腐食 / 液体金属 / マルテンサイト鋼
研究実績の概要

1.2%Siを含むSIMP鋼は、新しく開発された強化マルテンサイト鋼であり、高強度ビーム加速器等の先進的な加速器駆動システムで使用されている。当該鋼は液体鉛ビスマス(LBE)と接することからその耐食性を評価することは重要である。
本研究では、SIMP鋼の酸化実験は、酸素含有量20ppmの静的酸素飽和液体LBE中で、600℃×5108時間まで実施した。
この実験による結果は現在以下のようにまとめられる。腐食時間100時間以上において、表面に形成されるnmオーダーの酸化クロム層により表面の酸化が抑制された。1000時間以上の腐食試験によりプランボフェライト、マグネタイト、Fe-Crスピネルからなる酸化物相が新たに形成された。そして、Pbがこの腐食層に浸透し、腐食時間2000時間以上でPbSiO3を形成した。さらに長期の腐食により、腐食層は徐々に溶出し、さらにFe-Crスピネルが形成される腐食進行プロセスを観察することに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍のため、なかなか来日することができず、2021年度後半になってやっと当研究Gでの研究に着手することができるようになった。現在は、腐食試験を実施した材料に対する追加の各種分析試験を実施するため、試料の作製、分析技術の取得も実施している。
当初予定よりも遅れた来日とはなったが、渡日から約半年を経過し、順調に実験を行い、新技術も身に着けてきていることからおおむね順調な成果と判断する。

今後の研究の推進方策

腐食試験を実施した材料に対する、顕微分光実験、X線回折実験を行う。また、集束イオンビーム加工装置を用いて腐食表面から断面試料を切り出し、透過電子顕微鏡による観察実験も実施する。
また、これらの遂行に当たり、学生の指導を行い、技術の共有、研究ノウハウの伝授など教育的な観点でも貢献をいただくこととしている。

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公開日: 2022-12-28  

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