研究課題/領域番号 |
21H00495
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
増田 展大 九州大学, 芸術工学研究院, 講師 (70726364)
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研究分担者 |
松谷 容作 國學院大學, 文学部, 准教授 (60628478)
城 一裕 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (80558122)
水野 勝仁 甲南女子大学, 文学部, 准教授 (30626495)
高尾 俊介 甲南女子大学, 文学部, 講師 (40597887)
秋吉 康晴 京都精華大学, ポピュラーカルチャー学部, 講師 (10751802)
横川 十帆 東京藝術大学, 学内共同利用施設等, 助手 (90881821)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | メディアアート / バイオアート / デジタル・ファブリケーション / 生命論 / 物質論 |
研究実績の概要 |
2021年度は本研究課題の初年度であり、メンバー間による問題意識の共有と最終成果の発表に向けた課題設定など、今後の基盤形成を目的として活動を進めた。 その実績として具体的には、メディア・バイオアートの新たな表現形態を探るという目的のもと、全員参加によるオンライン開催の研究会を9回に分けて実施した。以下の日程と担当者により各自の研究報告と意見交換を進めることで、共通の関心と議論を深めることができた(2021/6/11 担当:水野、7/9:横川・城・増田、8/5:城、9/16:秋吉、10/28:高尾、12/9:松谷、2022/2/24:秋吉、くわえて2021/11/29、2022/1/13には全体での方針確認や情報共有などを実施)。 これら全体会合とは別に、一部のメンバーで文献調査と読解をベースとした研究会を同じくオンラインで継続的に開催し、これは合計で30回に及んだ。この研究会では、昨今のバイオ・メディアアートの動向ととりわけ最近のマルチスピーシーズ人類学との歴史・理論的な接点を探ることを目指した。主要文献を読み進めていくうち、年度途中からは人類学者の奥野克巳氏やキュレーターの四方幸子氏など、それぞれの分野で活躍する研究者に参加やレビューを頂くことができた。その成果は個別の業績のみならず、増田が実行委員長を務めた第41回日本記号学会のシンポジウム(2021/11/27-28、九州大学大橋キャンパス・オンライン)や、アーティストの深澤孝史氏を招いた公開研究会「《道祖神リプレゼンテーション》をめぐって」(2022/03/22、第61回マルチスピーシーズ人類学研究会との共催、オンライン)に反映することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
上記のような定期的な研究会を、当初の計画以上の頻度で開催すると同時に、各自のメンバーが個別に国内外の学会誌への論文投稿や学会で研究発表を進めることができた。特にメンバーのうち横川、増田、城の3名で投稿していた論文が海外ジャーナルに掲載されることが決定し、他のメンバーも精力的に国内外の学会で本研究の成果を継続的に発表することができた。また制作実践としては、メンバーの高尾が発表した作品《Generative Masks》がNFTsアートへの批判的介入によって世界的な注目を浴びることになった。これらの実績に伴い、本研究メンバー以外の研究者ネットワークにも広がりを見せていることを踏まえて、計画以上の進捗状況だと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
初年度から今後の研究のさらなる展開に向けた基盤を構築することができたため、次年度もまた以上の活動を継続・拡充しつつ、展示会・シンポジウムの開催という最終目標に向けて着実に研究を進めていく。そのために今後もアーティストの招聘や、国際学会へのパネル・エントリーなどもすでに動き出しており、定期的な研究会もできるだけ公開型のものを増やしていくことにしたい。また二年目は中間段階での展示会、三年目には最終成果の展覧会を予定しているため、ここまでの知見を応用しつつ学会や論文などと併せて、本研究の成果をできるだけ外部に公開していくことを試みる。
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