研究課題/領域番号 |
21H00552
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
大津 由紀雄 関西大学, 外国語学部, 客員教授 (80100410)
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研究分担者 |
森 篤嗣 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (30407209)
久保野 雅史 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (50251070)
庵 功雄 一橋大学, 森有礼高等教育国際流動化機構, 教授 (70283702)
柾木 貴之 北海学園大学, 経済学部, 准教授 (70883320)
嶋田 珠巳 明海大学, 外国語学部, 教授 (80565383)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 英語教育 / 国語教育 / 英語教育と国語教育の連携 / ことばへの気づき / 言語教育 / 日本語教育 / 認知科学 / 複言語主義 |
研究実績の概要 |
外国語教育としての英語教育と母語教育として国語教育を連携させる必要性はこれまで幾度となく叫ばれてきたが、いずれも実効を上げることはできなかった。その根本的原因は連携の基盤が明確にされていなかったからである。本研究は、言語の普遍性と個別性に関する、現代認知科学・言語学からの知見を活かし、「ことばへの気づき」を基盤として、英教育と国語教育の連携のあり方を具体的に提示することを目的とするものである。以下にこれまでの研究実績の概要を記す。 ・言語の普遍性と個別性に関する、現代認知科学・言語学からの知見を活かし、「ことばへの気づき」を基盤として、英語教育と国語教育の連携のあり方を具体的に探った。 ・英語教育と国語教育の連携の歴史を探り、これまでその連携が十分に実現することがなかった理由を探り、今後の課題を明らかにした。また、連携の実践例を調査し、新たな実践の可能性を探った。 ・小学校英語教科書の実態を調査するため,令和2年度小学校英語教科書7社の英語本文部分を手入力してコーパス化し,検索できるシステムを実装した。また、筑波大学附属中学校英語科に残されていたオープンリールテープのデジタル化を進めた。 ・日本語の文法構造のとらえ方およびその日本語学習者への提示方法の研究および日本語表現に関する新たな規範としての「プレイン・ジャパニーズ」の必要性およびその内実の研究を行った。 ・研究の成果を論文、単行本、研究発表、講演などの形で広く公開した。とくに、研究分担者の柾木貴之による単行本『国語教育と英語教育をつなぐ―「連携」の歴史、方法、実践』(2023年、東京大学出版会)は456ページの大著である。本研究チームでは、2023年7月に同書に関するシンポジウムを開催予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため、対面での会議、シンポジウム、講演会を開催することができなかったため、予定していたところをすべて実行することができなかった。オンライン形態による打ち合わせにより、可能な限り、その埋め合わせを試みたが、現状は「やや遅れている」と報告せざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は本研究の最終年度にあたるので、全体会議を(可能な限り対面で)開き、これまでの研究成果を統一された枠組みで整理する。また、すでにテスト版が完成している小学校英語教科書に関するコーパスを全員で共有し、その利用法について検討する。併せて、シンポジウムと研究成果報告会を開催し、研究成果を広く社会に還元するよう努める。
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備考 |
本研究の成果の一端は上記「ことばの教育」サイト内の「大津研ブログ」に掲載。
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