研究課題/領域番号 |
21H00632
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
山田 和芳 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (60508167)
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研究分担者 |
村尾 智 第一工科大学, 工学部, 教授 (10358145)
中西 利典 ふじのくに地球環境史ミュージアム, 学芸課, 准教授 (10462582)
香月 興太 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 講師 (20423270)
奥野 充 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (50309887)
冨安 卓滋 鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (60217552)
瀬戸 浩二 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 准教授 (60252897)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 年縞 / 零細および小規模金採掘 / 水銀汚染 / フィリピン / インドネシア / さつま湖 / 藺牟田池 / 永野/山ケ野旧金山 |
研究実績の概要 |
2018年に国連環境計画にて発効した「水銀に関する水俣条約」において重点的な課題と定めているのが、「零細および小規模金採掘(artisanal/small-scale gold mining:略称ASGM)」と呼ばれる途上国の乱掘である。同条約は、ASGMについて国家行動計画を策定し、実行に移すよう求めているが、大気圏を経て拡散・沈降するASGM由来の水銀が周辺にもたらす影響は未知数である。そこで本研究は、ASGMが盛んなフィリピンとインドネシア両国を対象とし、①ASGM現場調査、②年縞堆積物採取、③分析・データ解析を系統的におこなうための学際チームを組んだ。季節~年解像度をもつ『年縞』を用いた過去100年間程度の水銀汚染史を多角的に検証することで、両国における水銀汚染の特徴とともに、汚染 の時系列および空間変化を把握して、広域的な影響の評価や監視のための提言をおこなう研究である。本研究は『年縞』班と『水銀』班の大きく2つの研究グループが並行・協働しながら研究を遂行する。『年縞』班は年縞環境史の研究を遂行する。一方、『水銀』班はASGM水銀汚染史の研究を遂行する。また、年縞堆積物中の水銀分析は『水銀』班が重複しながらその役割を担う。2022年度は2021年度に実施した鹿児島県永野/山ケ野旧金鉱山での現地調査、藺牟田池及び薩摩湖で採取した年縞堆積物の分析を進めるとともに、新型コロナウィルス感染拡大の状況を見通しながらフィリピンを対象として、現地調査および分析・解析を中心的かつ系統的に実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルス感染症拡大によって進めることができなかったフィリピンでの現地調査を計画通りに進めることができた。また、2021年度に調査した鹿児島県における調査研究についても分析を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる2023年度は、2021-2022年度に採取した年縞堆積物の総合的な分析を進めるとともに、インドネシアにおける野外調査の実施を計画する。
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