研究課題
2018年に国連環境計画にて発効した「水銀に関する水俣条約」において重点的な課題と定めているのが、「零細および小規模金採掘(artisanal/small-scale gold mining:略称ASGM)」と呼ばれる途上国の乱掘である。同条約は、ASGMについて国家行動計画を策定し、実行に移すよう求めているが、大気圏を経て拡散・沈降するASGM由来の水銀が周辺にもたらす影響は未知数である。そこで本研究は、ASGMが盛んなフィリピンを対象とし、①ASGM現場調査、②年縞堆積物採取、③分析・データ解析を系統的におこなうための学際チームを組んだ。季節~年解像度をもつ『年縞』を用いた過去100年間程度の水銀汚染史を多角的に検証することで、両国における水銀汚染の特徴とともに、汚染の時系列および空間変化を把握して、広域的な影響の評価や監視のための提言をおこなう研究である。本研究は『年縞』班と『水銀』班の大きく2つの研究グループが並行・協働しながら研究を遂行する。『年縞』班は年縞環境史の研究を遂行する。一方、『水銀』班はASGM水銀汚染史の研究を遂行する。また、年縞堆積物中の水銀分析は『水銀』班が重複しながらその役割を担う。最終年度の2023年度は2021年度に実施した鹿児島県永野/山ケ野旧金鉱山での現地調査、2022年度に実施した藺牟田池及び薩摩湖で採取した年縞堆積物の分析を進めるとともにとりまとめを行った。研究成果は、第33回社会地質学シンポジウムで講演するとともにプロシーディングスとして発表した。また、永野/山ケ野旧金鉱山における研究成果については国際誌に投稿した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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The proceedings of the 33rd Symposium on Geo-Environments and Geo-Technics
巻: 33 ページ: 25-26
巻: 33 ページ: 27-28
巻: 33 ページ: 29-30
巻: 33 ページ: 31-32
巻: 33 ページ: 33-34
巻: 33 ページ: 35-36