研究課題/領域番号 |
21H00643
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
吉田 ゆか子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (00700931)
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研究分担者 |
神野 知恵 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 特任助教 (20780357)
武藤 大祐 群馬県立女子大学, 文学部, 准教授 (30513006)
長嶺 亮子 沖縄県立芸術大学, 芸術文化研究所, 研究員 (30589784)
増野 亜子 東京藝術大学, 音楽学部, 講師 (50747160)
前原 恵美 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 無形文化遺産部, 室長 (70398725)
竹村 嘉晃 国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 外来研究員 (80517045)
小塩 さとみ 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (70282902)
大田 美佐子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (40362751)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 新型コロナ感染症 / パンデミック / 芸能 / 劇場 / 場所・場 / 映像民族誌 |
研究実績の概要 |
各自が現地調査およびオンライン調査を継続したほか、全体で4回の研究会を実施した(アジア・アフリカ言語文化研究所共同利用・共同研究課題と共催)。第1回目はオンラインにおける芸能活動についての報告を吉田と竹村が行った。第2回目には、西欧や日本の劇場での試みについて大田が、欧州の劇場におけるコロナ状況への対応についてドイツ在住のドラマトゥルク庭山由佳(ゲスト)が報告した。両報告からは、劇場がCOVID-19の状況を「作品創造」の視点から捉え直し、劇場の社会的責務を発信する機会となった点が浮かび上がった。第3回研究会では「コロナ状況下のフィールドワークの難しさ、課題、面白さ」をテーマとし、メンバー全員とゲストの大学院生による座談会を行った。第4回目では、長嶺による台湾の学校現場および年中行事に関する報告と、阿部武司(研究協力者)による東北地方の儀礼や世俗的な祭りにおける各種の民俗芸能の実践についての報告がなされた。トップダウン式のガイドラインが制定された台湾の事例と、現場の判断で方針を決めなければいけない日本の事例との対比が議論された。 主な成果公開としては、4人のメンバーがInternational Council for Traditional Musicの研究大会にてStruggles and Creativities in Performing Arts under the Spread of COVID-19: Cases from Japan, Singapore, and Indonesia と題したパネル発表を行った。また、一般向け雑誌『FIELDPLUS』の巻頭特集に、「コロナ状況下のアジアで舞う・奏でる・演じる」を寄稿した。またコロナ状況下の伊勢大神楽を追った神野による映像民族誌「それでも獅子は旅を続ける~山本源太夫社中 伊勢大神楽日誌~」の上映会を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度から海外での現地調査が可能なケースも出てきて、これまで延期になっていた調査を実施することができた。コロナ感染拡大や先方の体調次第で急な予定変更が必要となったケースもまだあるが、一部の調査を除きほぼ予定通り遂行できた。 オンラインの国際学会でのパネル発表および一般誌へのエッセイ投稿を行ったほか、研究内容を映像で伝えるドキュメンタリー映像の上映会を開催し、広い層に向けて研究成果を発信できた。またこうしたイベントや研究会、研究発表の告知や報告をウェブサイトで広報することで、情報の蓄積と公開も順調に行えている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、感染状況に応じて柔軟に対応しながら、オンラインと臨地の両方で調査を行ってゆく。全体としては年に2回程度の研究会を継続するとともに、これまでの議論を持ち寄って、成果論集の年度内の出版を目指す。各自はこれまでの研究会でのテーマを発展させながら論文を執筆する。 またアウトリーチとして、コロナ状況下に大きく注目をされた声によるガムラン音楽gamutのパフォーマーを招聘し、その芸能とコロナ状況下で活躍の場を広げたプロセスについて紹介する上演イベントを一件開催する。
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