研究課題/領域番号 |
21H00709
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹内 憲司 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (40299962)
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研究分担者 |
阪本 浩章 神戸大学, 経済学研究科, 准教授 (80758996)
Wolf David 神戸大学, 経済学研究科, 講師 (60878271)
定行 泰甫 成城大学, 経済学部, 准教授 (90800920)
天畠 華織 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 准教授 (10879703)
楊 潔 富山大学, 学術研究部社会科学系, 特命助教 (10883556)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 環境経済学 / 気候変動 / 計量経済学 / 適応 |
研究実績の概要 |
パリ協定や持続可能な開発目標(SDGs)が採択され、気候変動と共存する経済発展のあり方が問われている。本研究は、気候変動が経済や環境に与える影響、特に気候災害に対して脆弱なグループに与える影響を検討することを通じて、政策形成に対して有用な情報を提供することを目的としている。具体的には、旱魃や洪水といった気候変動災害を取り上げ、これらによって強く影響を受ける産業部門・地域・人口を明らかにするとともに、適応政策の有効性について経済学的な評価をおこなう。過去に発生した災害の短期的・長期的な効果に関するデータを収集・分析し、影響を軽減するために重要な要素を明らかにすることで、包摂的な気候変動適応政策に関する有効な含意を導き出す。 2021年度においては、中国南西部において2009年から2010年にかけて発生した大規模な旱魃が地域の経済と二酸化炭素排出量に与えた影響について分析を行った。特に本研究では、発電部門とエネルギー集約的な部門における影響に着目した。中国南西部の経済は水力発電に大きく依存しており、旱魃によって発電揚水が不足する結果、火力発電への代替が起きている可能性がある。本研究では差分の差分法を用いて93,830企業のパネルデータを分析し、こうしたメカニズムについて実証的に検証した。災害の影響により多くの経済部門の生産が低下するものの、火力発電による代替の影響は大きく、差し引きでは二酸化炭素排出量は増加していることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年において一部の研究費を繰り越し使用する必要が生じたものの、その後順調に研究は進展している。2022年度においては、2021年度に投稿中であった論文に対して改訂要求があり、これに対する対応(主に推定結果の頑健性の検定など)を行った。分析の結果、推定結果の頑健性を確かめることができ、論文の内容を改善することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は論文化が遅れている災害の国際貿易に与える影響についての研究を集中的に実施し、論文化を進める。また、さらに洗練された方法論による研究を進めるため、機械学習の方法を取り入れた分析手法の開発を検討する。
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