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2023 年度 実績報告書

インクルーシブ・リーダーシップ概念の拡張とその促進要因-多様な部下の管理に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 21H00745
研究機関法政大学

研究代表者

坂爪 洋美  法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (10329021)

研究分担者 島貫 智行  中央大学, 戦略経営研究科, 教授 (40454251)
松浦 民恵  法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (60570778)
武石 惠美子  法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (70361631)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード管理職 / マネジメント行動 / 部下の多様性
研究実績の概要

多様な部下を持つ課長クラスの管理職を対象としたインタビュー調査の分析結果から以下4点が明らかになった。第1に、管理職は多様な部下のマネジメントに難しさを感じていた。最も顕著に語られたのは、年上部下への対応の難しさであり、個別の部下に対して手探りで対応していた。
第2に、部下とのコミュニケーション時に、公平性の維持やハラスメントを回避すべく、コミュニケーションの場の設定や表現方法に慎重を期すといったコストを負担していた。その結果、既に関係が良好な部下等コミュニケーションのコストが低い部下との関係性がより強固なものとなる傾向が認められた。部下とのコミュニケーションの難易度が相対的に高まる中、難易度が低い一部の部下との関係性がかえって強固になると考えられる。
第3に、評価制度ならびにキャリア形成に関する人事施策は管理職の部下コミュニケーションに対して影響を与えていた。例えば、新たにジョブ型を導入した企業の管理職は、ジョブ型の導入により部下と話すべき内容が具体化かつ共有化されたことで、部下とのコミュニケーションが容易になったと語った。一方で、キャリア自律が浸透する中で、部下のキャリア形成上の希望と担当業務との間との調整が困難になったという語りも認められた。
第4に、上司である部長クラスとの関係性ならびに、部長クラスの部門全体に対する運営方針等の明確性と裁量権の適切な行使が管理職の部下マネジメントのやりやすさに影響を与えていた。部長クラスとの良好な関係性は何かあれば相談することができるといった心理的な安心感に加え、部長クラスの必要に応じた問題解決への関与が、課長クラスの管理職の部下マネジメントの支援となっていた。同様に、課長クラスの裁量権は概して限られることから、部長クラスが仕事の改廃や人員や仕事の再配置等の裁量権を行使することが、課長クラスの管理職の部下マネジメントを支援していた。

現在までの達成度 (段落)

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 管理職の役割に生じている変化と課題2024

    • 著者名/発表者名
      坂爪洋美
    • 雑誌名

      中央労働時報

      巻: 1313 ページ: 20-23

  • [雑誌論文] 労働生産性の維持と社員のWLBが両立できる在宅勤務のあり方2024

    • 著者名/発表者名
      佐藤博樹・松浦民恵
    • 雑誌名

      日本労働研究雑誌

      巻: 763 ページ: 63-75

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 仕事と仕事以外の生活に関する『境界管理』とエンゲージメント―「統合・能動型」は望ましい働き方か?―2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤博樹・松浦民恵
    • 雑誌名

      生涯学習とキャリアデザイン

      巻: 21(1) ページ: 3-17

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] ダイバーシティ経営効果を高める職場、従業員の要因2023

    • 著者名/発表者名
      武石 恵美子
    • 雑誌名

      生涯学習とキャリアデザイン

      巻: 20(2) ページ: 51-67

  • [学会発表] 鹿児島大学における課題解決型インターンシップの実践2023

    • 著者名/発表者名
      坂爪洋美・梅崎修・初見康行・西山元子
    • 学会等名
      日本キャリアデザイン学会
  • [学会発表] 労働生産性と社員のWLBが両立する在宅勤務のあり方2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤博樹・松浦民恵
    • 学会等名
      労働政策研究会議
  • [学会発表] リサーチセッション タレント・マネジメントとキャリア自律2023

    • 著者名/発表者名
      武石恵美子
    • 学会等名
      日本労務学会
  • [図書] 実務詳解 職業安定法2023

    • 著者名/発表者名
      倉重公太朗・白石紘一
    • 総ページ数
      176
    • 出版者
      弘文堂
  • [図書] 新・マテリアル人事労務管理2023

    • 著者名/発表者名
      江夏幾太郎・岸野早希・西村純・松浦民恵
    • 総ページ数
      176
    • 出版者
      有斐閣
  • [図書] セーフティネットと集団-新たなつながりを求めて2023

    • 著者名/発表者名
      玄田有史・連合総研
    • 総ページ数
      261
    • 出版者
      日経BP・日本経済新聞出版
  • [図書] キャリア開発論 第2版-自律性と多様性に向き合う2023

    • 著者名/発表者名
      武石恵美子
    • 総ページ数
      272
    • 出版者
      中央経済社

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公開日: 2024-12-25  

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