• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

スター・サイエンティストのスタートアップへの関与と成功要因に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21H00748
研究機関早稲田大学

研究代表者

牧 兼充  早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 准教授 (60348852)

研究分担者 隅藏 康一  政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (80302793)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードスター・サイエンティスト / スタートアップ / エコシステム
研究実績の概要

令和4年度末時点において、コントロール群としての国内スター・サイエンティストへのインタビューとその分析、日米のスター・サイエンティストの定量分析による比較が概ね完成した段階である。その内容については、ワーキングペーパーとしてまとめている。

更に探索的な研究としてディープ・ラーニングを活用したスター・サイエンティストの検出エンジンの作成を行い、ワーキングペーパーとしてまとめた。精度はまだまだ低いもののプロトタイプを構築し、ディープ・ラーニングの活用方法と今後のデータ収集方針について整理した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和5年2月までに、 インタビュー事前準備、第一回国内サイエンティストインタビュー、インタビュー まとめ、分析、渡米によるインタビュー、定量分析 (データセット構築、データ分 析、第二回国内サイエンティストインタビュー、インタビュー後の定量分析、スター・サイエンティストの対面インタビューを行う予定であった。
そのうち、外生的な要因の影響を受けづらい国内スター・サイエンティストのインタビューと、定量データ分析について進めた。
一方で、渡米を前提としたスター・サイエンティストのインタビューは、大きく分けて3つの理由により、進捗がやや遅れている。第一の理由は、新型コロナウィルス感染症への対応により、スター・サイエンティストへのインタビューが取りづらくなっていることである。コロナによる隔離期間の影響のみならず、在宅勤務が増えたために、アポイント調整の選択肢が減っている。第二に、新型コロナウィルス感染症やウクライナ戦争の影響などによる航空運賃が高騰し、渡米の回数自体を見直す必要が発生したことである。第三に急速な円安、米国の物価の上昇によりホテル代が高騰し、米国の滞在日数を大幅に絞らないといけなくなったためである。
大前提として、スター・サイエンティストへのインタビューは、いくつかの理由により、オンラインではなく、対面インタビューが望ましい。第一に、質問項目の一部は、サイエンティストにとってセンシティブな内容が含まれているため、対面によるラポールが重要である点である。第二に、インタビューは本人への質問のみならず、研究室の環境やポスドク・博士課程の様子を観察することも重要であるからである。
以上の理由により、研究計画の順序などを入れ替えて、また一部の研究は期間を延長することにより、より充実した成果を創出することを目指している。

今後の研究の推進方策

新型コロナウィルス感染症の状況も収まり、海外渡航制限も緩和されたため、令和5年度は、積極的に渡米し、スター・サイエンティストへのインタビューを行う予定である。それと同時にインタビューの手法については、新たな工夫を導入する。
1.当初計画では、同一のインタビュー対象者に、複数回対面インタビューを行う予定であった。しかしながら航空運賃や宿泊費の高騰を前提にすると、インタビューの回数を絞らざるを得ない。そこで1回目のインタビューは対面、2回目のインタビューはオンラインとすることで、コストの削減を測る。

2.当初計画では、アポイントは、面識のないスター・サイエンティストへ直接メールを送る方法で取る予定であった。しかしながら、この方法では、限られた時間の中でのスケジュール調整が困難なため、日本人のサイエンティストのネットワークを広げ、そのネットワークを介して紹介を受けることでアポイントを取ることを目指す。そのため、日本人のサイエンティストのネットワークを構築する時間を十分にとることとする。

3.スター・サイエンティストのみならず、スター・サイエンティストのラボに所属するポスドク・博士課程の学生へのインタビューを行うことにより、エビデンスの拡充を図る。ポスドク・博士課程へのネットワークは、米国のエコシステムにおける交流会への参加が有効であり、そのための時間を十分にとることとする。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2023 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Are public subsidies effective for university spinoffs? Evidence from SBIR awards in the University of California system2023

    • 著者名/発表者名
      Fini, R., Perkmann, M., Kenney, M., Maki, K. M.
    • 雑誌名

      Research Policy

      巻: 52(1) ページ: 0

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] スタートアップの上場はその後の成長に寄与するか2022

    • 著者名/発表者名
      吉田 晃宗、牧 兼充
    • 雑誌名

      VENTURE REVIEW

      巻: No. 40 ページ: 0

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Entrepreneurial Orientation on Clinical Development in Pharmaceutical Industry: Fixed-Model Analysis2022

    • 著者名/発表者名
      D. Matsuda, T. Yoshioka-Kobayashi and K. M. Maki
    • 雑誌名

      Portland International Conference on Management of Engineering and Technology (PICMET)

      巻: 0 ページ: 0

    • DOI

      10.23919/PICMET53225.2022.9882621

    • 査読あり
  • [学会発表] 大学発ベンチャーを成功に導く研究開発のテーマ選択とメンバー構成2022

    • 著者名/発表者名
      平野梨伊,隅藏康一, 牧兼充
    • 学会等名
      ビジネスモデル学会
  • [学会発表] 研究開発のテーマ選択と メンバー構成が大学発ベ ンチャーの調達額に与え る影響2022

    • 著者名/発表者名
      平野梨伊,隅藏康一, 牧兼充
    • 学会等名
      研究イノベーション学会
  • [学会発表] キャリア初期において優れた研究成果を挙げた研 究者の分析2022

    • 著者名/発表者名
      隅藏康一, 林 元輝,佐々木凌太郎、牧兼充
    • 学会等名
      研究イノベーション学会
  • [学会発表] Entrepreneurial Orientation on Clinical Development in Pharmaceutical Industry: Fixed-Model Analysis2022

    • 著者名/発表者名
      D. Matsuda, T. Yoshioka-Kobayashi and K. M. Maki
    • 学会等名
      Portland International Conference on Management of Engineering and Technology (PICMET)
    • 国際学会
  • [学会発表] キャリア初期におい て高被引用論文の筆頭著者となった研究 者の分析2021

    • 著者名/発表者名
      隅藏康一, 林 元輝,佐々木凌太郎、牧兼充
    • 学会等名
      研究イノベーション学会
  • [図書] イノベーターのためのサイエンスとテクノロジーの経営学2022

    • 著者名/発表者名
      牧兼充
    • 総ページ数
      272
    • 出版者
      東洋経済新報社
  • [図書] 科学的思考トレーニング  意思決定力が飛躍的にアップする25問2022

    • 著者名/発表者名
      牧兼充
    • 総ページ数
      224
    • 出版者
      PHP研究所
  • [備考] STENTRE.NET

    • URL

      https://www.stentre.net/

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi