本研究は、25年間にわたる保護者と子どもの追跡調査に基づき、育児困難の特性別に科学的な根拠に基づく効果的な虐待予防支援を検証し、その成果をもとに実装モデルの提案を行った点で学術的意義が高い。 もとより子育て支援は、社会・文化的な影響のきわめて大きい領域である。本研究は、海外の成果を参照しつつも、我々が日本で標準化した複数の指標を用い、保護者と専門職のニーズに関するフォーカス・グループインタビューの蓄積により、日本の実情に適合した実装モデルを開発する点、日本において初の長期におよぶ大規模追跡調査に基づく虐待予防支援の検証を行う点で、高い社会的意義を有するものである。
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