研究課題
(1)目的:地理情報システムを用いて、日本の小中学生を対象に、近隣の食事・身体活動環境と肥満の関係について検討した。(2)対象:2018-2020年度基盤研究(B)「全国大規模調査による思春期小児の身体活動・生活習慣と睡眠の検討(研究代表者: 石井好二郎)」によって収集された全国各地2万名以上の児童・生徒のデータより、公立学校に通う小学5年生から中学3年生の児童・生徒(n=7277)を対象とした。(3)調査・分析方法:年齢、性別、身長、体重を調査し、肥満度を算出した。肥満度20%未満を非肥満とし、20%以上を肥満とした。また、地理情報システムを用いて、学区内のコンビニエンスストア、ファーストフード店、カジュアルレストラン、スーパーマーケット・百貨店、公園、スポーツ施設、駅、交差点などの密度を調査した。さらに、国勢調査から、参加者の学校がある市町村の人口密度に関する情報を入手した。肥満と食環境の関係(食環境モデル)、肥満と身体活動環境の関係(身体活動環境モデル)、肥満・食・身体活動環境の関係(食・身体活動環境モデル)については、多重ロジスティック回帰分析を用いて検討した。(4)結果:食環境モデルおよび食・身体活動環境モデルでは、コンビニエンスストアの密度が有意な正の相関を示した。身体活動環境モデルでは、駅の密度が有意な負の相関を示した。結論 本研究の結果は、日本および類似地域における子どもの健康増進のための適切な地域介入策の開発に寄与することができる。
2: おおむね順調に進展している
新型コロナウイルス感染拡大の影響があり、予定していた海外での発表を含めて、学会でのディスカッションの機会が少なかったのは残念であった。しかし、それ以外は順調に進んだ
新型コロナウイルス感染拡大が落ち着いてきたこともあり、海外での発表や論文投稿を加速させる。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
INQUIRY: The Journal of Health Care Organization, Provision, and Financing
巻: 58 ページ: -
10.1177/00469580211055626