研究課題/領域番号 |
21H00848
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
石井 好二郎 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (30243520)
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研究分担者 |
中谷 友樹 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (20298722)
辻 大士 筑波大学, 体育系, 助教 (90741976)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 子ども / 地理情報システム / 格差 / 地域 / 健康 |
研究実績の概要 |
相対年齢効果とは、同一の学年に属する児童・生徒の間で、それぞれの出生時期の違いによって生じる身体的・精神的な発達の差が、学力や運動能力などに影響を与える現象であると定義されている。一方、社会経済的要因(親の所得、教育レベルなど)もまた、思春期の身体活動と関連している。しかし、既存の研究では、社会経済的要因が青年期の身体活動に対する相対年齢効果を緩和するかどうかを検討したものはない。本研究では、出生月と社会経済的要因が、日本の思春期における組織化されたスポーツおよび身体活動に関連するかどうか、またどのように関連するかを明らかにすることを目的とした。 日本各地に居住する21,491人の思春期小児を対象に質問紙調査を実施した。8102名(男子4087名、女子4015名:平均年齢13.1±1.4歳)を分析対象とした。参加者の誕生月に基づき、4つのグループ(4月~6月、7月~9月、10月~12月、1月~3月)に分けた。参加者には、組織化されたスポーツへの参加状況を報告させた。日本語版 IPAQ 思春期前期用(IPAQ-JEA)を用いて、中等度から強度の身体活動(MVPA)を確認した。近隣レベルの社会経済的要因(地理的剥奪指標、平均年収、教育レベル)は、国勢調査などの全国調査に基づいて分析した。組織的スポーツ参加とMVPAについて、それぞれマルチレベルのロジスティック回帰分析と線形回帰分析を行った。さらに、マルチレベル線形回帰分析において、出生月と社会経済的要因の交互作用が有意であった場合には、単純傾斜分析を実施した。 男子では、早生まれの小児は、組織化されたスポーツ活動に参加する割合が少なく、男女ともにMVPAが少なかった。出生月と社会経済的要因の間に交互作用が観察された。低所得地域の男子、およびより貧困な地域の女子では、早生まれほどMVPAが少なかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナによる規制が緩和され、予定していた海外での発表を含めて、学会でのディスカッションの機会が増えてきた。他の研究者との議論の結果、研究の考察も順調に進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
海外での発表や論文投稿を加速させる。
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