研究課題/領域番号 |
21H00864
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
黒田 恭史 京都教育大学, 教育学部, 教授 (70309079)
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研究分担者 |
石井 英真 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (10452327)
森 秀樹 昭和女子大学, 人間社会学部, 准教授 (30527776)
岡本 尚子 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (30706586)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 生体情報計測 / 空間図形教育 / 教材開発 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、次の三点である。一つ目は、コンピュータを用いた空間図形教材の試作版を開発し、脳活動と視線移動の同時計測による生体情報計測実験により、実物の立体や紙面にかかれた立体の教材の場合と比較して、どのような差異が生じるのかを生理学的に解明することである。二つ目は、生理学データの研究成果を踏まえ、空間認識力の向上に有効なコンピュータを用いた小・中学生用空間図形教材の改良し、完成版にすることである。そして三つ目は、ホームページ等を用いてのこれらの教材を普及することである。 2021年度の取り組みでは、一つ目の目的に該当するコンピュータを用いた空間教材の試作版の開発においては、21本の【試作版】教材を開発した。また専用ホームページを先行して立ち上げた。ただし、教材の公開については生体情報計測実験後に改良したものを掲載するため、2022年度の公開する予定である。 生体情報計測実験では、大学生・大学院生32名を対象に、メンタルローテーションに関する2つの立体図形の合同の可否を問う実験課題を実施し、その特徴について分析した。視線移動計測実験の結果より、立体図形の回転方向の違いによって難度が変化し、回答方略が異なることが導き出された。早い段階で2つの立体の同一個所を特定化できた際には正答率が高く、特定の立体に視線が留まる傾向の場合には、正答率が低い結果となった。また脳活動を組み合わせて分析すると、3つのタイプに分類されることが判明した。この詳細な分析については、今後さらに取り組んでいく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
空間図形教材開発【試作版】の方は、順調に開発することができた。今後は、生体情報計測実験等で検証し、公開に向けて改良を加えていく予定である。 一方、コロナ禍により、2021年度の前半の期間は実験を実施することができなかったが、後半には大学生・大学院生を対象とした生体情報計測実験が可能となり、データ取得・分析ができた。現在、データ分析を行っており、新たな知見が出ることを目指している。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度以降は、開発した空間図形教材を用いた実験タスクを開発し、小中学生を対象とした生体情報計測実験を実施していく予定である。これらの成果をもとに、空間図形教材【完成版】を、専用ホームページにて公開し、広く学校現場に還元する予定である。
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