研究課題/領域番号 |
21H00872
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研究機関 | 鹿児島女子短期大学 |
研究代表者 |
佐藤 慶治 鹿児島女子短期大学, 児童教育学科, 准教授 (10811565)
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研究分担者 |
山崎 浩隆 熊本大学, 大学院教育学研究科, 教授 (20555768)
城 佳世 九州女子大学, 人間科学部, 准教授 (40722731)
山田 高誌 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (10580665)
高瀬 文広 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (90413640)
森 みゆき 尚絅大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (00738552)
中村 礼香 鹿児島女子短期大学, 児童教育学科, 准教授 (60898732)
金浦 美咲 鹿児島女子短期大学, 児童教育学科, 助教 (00884876)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 小学校音楽科 / NHK / 学校放送 / 後藤田純生 / 教育番組資料 |
研究実績の概要 |
科研費初年度においては、キックオフ研究会「パブリックカルチャーにみる音楽教育コンテンツ―過去・現在・未来―」と題し、NHK放送文化研究所主任研究員の宇治橋祐之氏を講師に招いての研究会を開催した(2021年10月21日)。宇治橋氏からは「NHK学校放送番組の概観と音楽番組の歴史」と題した講演があり、また科研費メンバーからの研究報告会も同時に行っている。本科研費のメンバーは音楽教育学の研究者が多く、音楽教育史等の知見は既に持っているものの、学校放送についてはこれまでの研究分野としていなかったメンバーがほとんどであったため、初年度については関連の知見を共有することを第一目的として進めた。各メンバーにおける初年度の研究成果については、『総合文化学論輯第15号』(2021年11月1日刊行)において、「後藤田純生とNHK教育音楽番組」というタイトルの特集を組み、発表を行った。 また、1960-80年代のNHK教育番組におけるプロデューサー・ディレクターを務めていた故後藤田純生の遺した資料について、「みんなのうた」(1961~)に関するものは、佐藤の科研費「 NHK『みんなのうた』を中心とした日本児童音楽文化の変遷に関する歴史社会学的研究」(2018-2021)内で既に遺族宅より佐藤研究室への移動を行っていたが、後藤田資料にはその他、学校放送や教育音楽番組に関連した資料も多く、2021年5月にそれらをすべて遺族宅より佐藤研究室に移動した。これらの資料については同年6月に科研費メンバーでの分類作業を行い、その後、佐藤研究室においてスキャンニング・データベース化を進めている。データベースは2023年度末までに完成させる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度については、後藤田資料の移動および分類、関連資料の収集とその分析、研究会の開催および論文での発表を予定通りに遂行することができた。特に研究会においては現在、NHK内での学校放送の調査研究の第一人者である宇治橋氏より講演をいただき、最新の知見を科研費メンバーにて共有することができた。ただし、2021年度はコロナ禍の影響も大きかったため、東京等での資料調査が延期になることも多く、2021年度分の科研費を2022年12月まで延期することとなった。これらのことを勘案し、「(2)おおむね順調に進展している」とした。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度以降の本科研費においては、初年度にメンバー内で共有することのできた学校放送についての基礎的知見を基盤とし、より発展的な調査へと進めたい。すなわち、資料研究のみならず、全国規模の音楽科学校放送に関するアンケート調査(主に小学校教員、元小学校教員を対象とする)や、それを基にした個別のインタビュー調査等を行うことによって、音楽科学校放送が果たしてきた役割や意義について、より深く分析していきたい。また、現在、NHKで放送が行われている「おんがくブラボー」の制作関係者より関連の講話をいただくことにより、学校放送の制作背景等の知見もメンバーにて共有したいと考えている。具体的に、科研費メンバーからの研究報告会も兼ねた研究会を2022年度中に開催予定である。 個別の番組研究としては、後藤田純生が担当を務めていた小学校1年生向け「ワンツー・どん」および2年生向け「うたって・ゴー」(どちらも1974-1996)に焦点をあてたい。これらの番組は「遊び」の視点を学校放送番組に取り入れたという点で音楽科学校放送として画期的なものであり、番組関連の資料が後藤田資料より多く発掘されている。2022年度分の研究においてはこれらの番組に着目し、制作背景および番組内における実践内容について、より深い形で分析を行っていきたいと考えている。 後藤田資料のデータベース化については、2021年度と同様の形で進め、2023年度末の完成を目指す。
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