研究課題/領域番号 |
21H00886
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
葉石 光一 埼玉大学, 教育学部, 教授 (50298402)
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研究分担者 |
八島 猛 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (00590358)
大庭 重治 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (10194276)
池田 吉史 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (20733405)
浅田 晃佑 東洋大学, 社会学部, 准教授 (90711705)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 知的障害 / ジョイントアクション / 社会的サイモン効果 |
研究実績の概要 |
本研究では、他者と共同して一つの課題に取り組む共同活動(ジョイント・アクション)の過程で、他者の行為の表象がどのように認識されるかを検討した。課題にはサイモン課題を用いた。これはモニタ上の左右に現れる刺激に対して反応キーを押す課題である。反応キーは、反応ボックスの左と右に配置されており、モニタの刺激が赤のときは左、青のときは右のキーを押すよう指示した。一般に刺激の出現位置と反応キーの位置が一致(例えば左に出現した刺激に左のキーを押す)している時よりも、逆(左に出現した刺激に右のキーを押す)の場合の方が反応が遅くなる。これをサイモン効果という。ただ、このサイモン効果は、刺激の一方のみ(例えば赤い刺激)に反応するよう指示する単独go-nogo課題として実施させると消失する。さらに、この課題を、一方は赤の刺激、もう一方は青の刺激に反応するよう役割分担して共同で実施させると、課題において求めている行為は単独go-nogo課題と同じであるにも関わらず、サイモン効果が現れる。これを社会的サイモン効果といい、一つには他者の行為を自己の行為と同様に表象したことによるものと考えられている。本研究では、単独で行う標準サイモン課題と、他者と共同で行う社会的サイモン課題を実施し、サイモン効果の現れ方を分析した。その結果、単独でサイモン課題を実施した場合、刺激の出現位置と反応キーの位置が一致する場合よりも、不一致の場合の方が反応が遅くなるものの、その差は統計的に有意なものではなかった。一方、共同でサイモン課題を実施した場合、反応時間自体が短縮されることに加え、有意な社会的サイモン効果が確認された。このことは、知的障害者においても、共同で課題遂行にあたる他者の行為の表象が共有されることを示唆する結果である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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