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2021 年度 実績報告書

複雑な空間での解析と幾何の結びつきの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21H00989
研究機関京都大学

研究代表者

木上 淳  京都大学, 情報学研究科, 教授 (90202035)

研究分担者 白石 大典  京都大学, 情報学研究科, 准教授 (00647323)
相川 弘明  中部大学, 工学部, 教授 (20137889)
角 大輝  京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (40313324)
秋山 茂樹  筑波大学, 数理物質系, 教授 (60212445)
宍倉 光広  京都大学, 理学研究科, 教授 (70192606)
熊谷 隆  京都大学, 数理解析研究所, 教授 (90234509)
梶野 直孝  京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (90700352)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードフラクタル / 熱核 / ラプラシアン
研究実績の概要

研究代表者木上は、一般のコンパクトな距離空間上への拡散過程の構成について研究を行った。具体的には、空間の分割の概念を用いて、空間を近似するグラフの列の上の離散的な Dirichlet 形式の列の極限を用いて空間上の正則な局所 Dirichlet 形式が構成を試みた。その中で、離散的な Dirichlet 形式に付随する特徴的な量として、Conductive constant と neighbor disparity constant という2つの定数を見いだした。そして、空間の Ahlfors conformal 次元が2より小さい場合には、この2つの定数が同じ漸近挙動を持つこと(この性質を conductive homogeneity と名付けた)が、離散的な Dirichlet 形式の極限として正則な局所 Dirichlet 形式が定義できるための必要十分条件であることを証明した。さらに、そのように構成された正則な局所 Dirichlet 形式は、resistance 形式であることを証明し、そこから得られる resistance metric が元々の距離のべきと同値であること、Dirichlet 形式の定義域に属する関数が、ある指数のヘルダー連続性を持つこと、拡散過程の熱核がsub-Gaussian 型の評価を持つことなどを証明した。また空間が自己相似性を持つ場合には、構成されたDirichlet形式も自己相似性を持つことも証明した。さらに、離散的な曲線族の modulus の理論を応用することで 局所対称性を持つ自己相似集合の族の conductive homogeneity の研究を行い、大域的な対称性が少ないが(あるいは全く無いが)conductive homogeneity を持つような自己相似集合の族を見いだした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究開始初年度のため、刊行予定となった論文はないが、上記の研究実績のように一般の距離空間上に、性質のよい拡散過程を構成するための十分条件を見いだしとその十分条件を用いた新しいクラスの自己相似集合上への拡散過程の構成を行いなど、十分な成果が得られている。

今後の研究の推進方策

おおむね順調に研究が進展しているため、研究計画に従って粛々と研究を進行する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Conductive homogeneity of compact metric spacees and construction of p-energies2022

    • 著者名/発表者名
      Jun Kigami
    • 学会等名
      7th Cornell Conference on Analysis, Probability, and Mathematical Physics on Fractals
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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