研究課題
本研究の目的は、高速点火レーザー核融合で最も重要である、超高強度レーザーによる核融合燃料プラズマの加熱プロセスを、超高速度かつ超高空間分解能計測器を用いて計測し、その物理メカニズムの同定を行うものである。その加熱は、時間幅10ピコ秒程度、空間幅30ミクロン程度の領域内で進行すると予測されている。加熱プロセスを計測するためにはX線の発光空間分布を、時間分解能5ピコ秒・空間分解能5ミクロンで、連続500ピコ秒に渡って動画撮影することが必要である。これはストリークカメラ等の従来計測手法では困難である。本研究では、電気光学(EO)特性を持つポリマー(EOポリマ)とチャープパルスレーザー光を用いた、光ファイバーによる伝送方式による計測装置を開発した。本年度、提案したシステムの開発に成功した。LFEXのショットで有効な信号が得られた。インパルス電磁波を用いて計測した、EOポリマ単体の応答時定数は0.7ピコ秒以下であった。最も困難であったLFEXレーザーショットで発生するインパルスX線の検出に成功し、半値全幅8ピコ秒幅の信号が観測された。ファイバー光学系内の非線形光パルス変調の問題に直面したが、半導体レーザー増幅器を開発することで克服した。空間分解計測に関しては、当初予定ではバンドル光ファイバーを用いる計画であったが、既存の製品では分解能と伝送距離が目標に届かないことが判明し、方針転換をした。マルチモードファイバーと符号化イメージングを用いた超高解像度画像伝送技術を導入した。当該技術専門家を研究協力者に加えた。画像伝送の基礎試験を行い、その技術が本研究に適応可能であるという原理実証データを得た。本目的である高速点火加熱を計測する実験は、令和6年度に実施し、加熱物理メカニズムの解明実験を行う計画である。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2024 2023 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 産業財産権 (1件)
Quantum Beam Science
巻: 8 ページ: 9-1,9-12
10.3390/qubs8010009
Japanese Journal of Applied Physics
巻: 63 ページ: 046002~046002
10.35848/1347-4065/ad32e6
Sensors and Materials
巻: 36 ページ: 217-223
Physical Review Research
巻: 5 ページ: 013062-1-~0
10.1103/PhysRevResearch.5.013062
High Power Laser Science and Engineering
巻: 11 ページ: e20-1,e20-7
10.1017/hpl.2023.4