研究課題
研究課題2. コアの重力崩壊と超新星爆発またはその失敗における自転と一般相対論の影響の研究これまでに開発してきたボルツマンソルバー、アインシュタインソルバー、流体力学ソルバーを統合し、軸対称2次元の第1原理計算を行い、超新星爆発のダイナミクスに対する一般相対論的重力と自転の影響を定量的に明らかにすることを目指している。本年度は、時空の計量は固定し、流体運動とニュートリノ輸送を一般相対論的に計算し、対流がどのように起こるかを定量的に調べ、論文として発表した。現在は原始中性子星のさまざまな冷却段階に拡張し、特に原子核物質の対称エネルギーの安定性への影響を系統的に研究している。また、球座標上で定式化したBSSN型式とimplicit Runge-Kutta法によるアインシュタイン方程式ソルバーのテスト計算を進めた。特に球対称下でのブラックホール形成に関する先行研究および申請者が所有する球対称コードによる原始中性子星の重力崩壊計算との詳細で定量的な比較を行った。現在ボルツマンコードとの結合を行っているところである研究課題1. 自転を考慮した大質量星の主系列から鉄コアの重力崩壊直前までの準静的進化の計算研究課題3. 自転する原始中性子星の準静的冷却とブラックホール形成の研究これまで角度平均をとり1次元で計算されてきた高速自転する星の進化計算を質的に改善するべくこれまで取り組んできた、独自のラグランジュ的定式化に基づく、ニュートン力学的平衡形状と一般相対論的平衡形状の数値的作成が完成し、それぞれ一編ずつの論文として発表した。また、そこで開発した多変数非線形代数方程式の新たな数値計算法についても論文として発表した。現在ニュートン力学版は高速自転する白色矮星の冷却計算に応用しているところで、一般相対論版は原始中性子星冷却への応用を進めているところである。
2: おおむね順調に進展している
初年度に行なった主要課題2におけるテスト計算の際に当初予期しなかった数値計算上の問題が生じたため、繰越しを行い対処した。問題は初年度中に概ね解決し、その後は順調に進んでおり、今年度終了時点で概ね当初予定していたところに到達している。
現在までの進捗状況で述べたように、当初の遅れは概ね解消し、開発を進めてきたものについても概ね完成を見たので、今後は軸足を応用に移すことになる。今のところ大きな問題は想定されないので、新たな方策は必要ないと考えている。数値計算が主なので、今後も問題が発生しないとは言い切れないが、個別に対応していくことで十分であると考える。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件)
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