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2021 年度 実績報告書

CMB異方性の観測技術を応用した超軽量ダークマターの探索研究-方向感度を有す実験

研究課題

研究課題/領域番号 21H01093
研究機関京都大学

研究代表者

隅田 土詞  京都大学, 理学研究科, 助教 (80624543)

研究分担者 安達 俊介  東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任研究員 (80835273)
鈴木 惇也  京都大学, 理学研究科, 助教 (90795014)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードダークマター / ダークフォトン / 宇宙背景放射
研究実績の概要

超軽量のダークマター、ダークフォトンの探索を、宇宙背景放射の異方性測定技術を応用して行っている。ダークフォトンは金属面で実光子に転換し、その質量の値に応じた周波数を持つが、この際、複数のアンテナからの入力の差分を取ることで、ダークフォトンの偏光方向に感度を持つ測定を行う。このための実験装置の設計をノイズなどのシミュレーション研究を通して進めた。
またアンテナ、アンプ、電源などの必要な物品を購入し、信号に用いるアンプの動作検証を完了した。架台に必要な物品を準備し、年度後半にはアンテナが1つの試作機を製作した。これを用いて原理検証とノイズの見積りのための測定を行ったところ、衛星による電波や無線LAN、スペクトラムアナライザー自身からのノイズなどが確認された。これらを効率的に排除するための電波暗室の設計も同時に行った。現在は複数のアンテナからの入力を切り替えるスイッチの動作検証と、3つのアンテナを持つシステムの設計を行っている。効率的なノイズ排除のための設計シミュレーションを進める。
また、より速い読み出しのため、ADC を用いたアナログ回路部分とFPGA を用いた論理回路部分を組み合わせた回路基板の設計を行った。
さらに、今年度までに高い周波数領域で行った実験について、ダークフォトン探索のデータ解析を行った。現在結果を論文にまとめているところである。
現在はより高い周波数領域での測定に向けたシミュレーション研究も進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ノイズの測定などにおいて想定外の原因が発見されたが、これによって信号についての理解が進み、現在は対処も含めて研究を進めているところであり、スケジュールとしては予定通りであると言える。

今後の研究の推進方策

現在までのところ測定は全てスペクトラムアナライザーを用いて行っており、これによって十分な感度が達成されているが、今後より高い感度と短い測定時間による系統誤差の軽減を目指した回路開発を進めていく。またアンテナの差分をとるためのスイッチ速度についての最適化を行い、ダークフォトンの偏光に感度を持つ測定を早期に行う。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 超軽量ダークマター探索実験 DOSUE-RR / K-band における初観測2022

    • 著者名/発表者名
      安達俊介
    • 学会等名
      ミリ波サブミリ波受信機ワークショップ
  • [学会発表] ダークフォトン CDM 探索実験 DOSUE-RR / K-band 75-110 μeV/c2 における初期観測2022

    • 著者名/発表者名
      安達俊介
    • 学会等名
      日本物理学会
  • [学会発表] ダークフォトンCDM実験 DOSUE-RR/J-band 偏極方向感度を有する装置の開発2022

    • 著者名/発表者名
      藤中崚
    • 学会等名
      日本物理学会
  • [学会発表] ミリ波領域におけるダークフォトン探索実験 DOSUE-RR -熱放射ノイズの評価-2021

    • 著者名/発表者名
      小髙駿平
    • 学会等名
      日本物理学会
  • [学会発表] DOSUE-RR - Experiment to explore ultra-light CDM in the millimeter-wave range2021

    • 著者名/発表者名
      隅田土詞
    • 学会等名
      Kashiwa Dark Matter Symposium 2021
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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