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2022 年度 実績報告書

世界初の宇宙遠赤外線干渉計による観測の実現に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 21H01127
研究機関名古屋大学

研究代表者

金田 英宏  名古屋大学, 理学研究科, 教授 (30301724)

研究分担者 大薮 進喜  徳島大学, 教養教育院, 准教授 (10396806)
和田 武彦  国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (50312202)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード宇宙干渉計 / 遠赤外線 / 気球観測
研究実績の概要

本年度は、気球干渉計の望遠鏡光学系の調整機構の開発と、姿勢制御系の評価試験を実施した。
光学系について、基線長約5 mの大型干渉計系の光路差を精密に調整するために光路途中に設けられている2次平面鏡に対して、その鏡のチルト・シフトの6自由度を精密に調整するための駆動機構を組み上げた。具体的には「ラムダポット」と呼ばれる特殊な方式で6個の直線モーターを駆動させて、鏡のチルトとシフトを独立に微調整する仕組みである。名古屋大学全学技術センターの技術職員の方のサポートを得ながら、パーツの組み上げ、駆動システムの整備、モーターの駆動確認などを実施した。この光学調整システムを完成させて、プロジェクトが科学目的達成のために要求するチルト・シフトの精度を満足することを確認するための試験の準備を進めた。実際の評価試験は、次年度に行う予定である。
また、姿勢制御系について、高空間分解能での干渉計観測を実現するため、本気球干渉計では高精度な制御が可能な三軸制御方式を採用しているが、より最適なアルゴリズムの開発のために、新しい姿勢制御シミュレーターの構築を開始した。また、並行して、実際の干渉計ゴンドラを用いて、ヨー角(z軸まわり) の制御実験を開始した。その過程における既存のリアクションホイールの性能調査により、姿勢制御の要求精度を満足しないことが判明した。具体的には、リアクションホイール駆動に用いているステップモーターの量子誤差およびバックラッシュが制御の精度を悪化させていることが分かった。そこで、より高性能なリアクションホイールの開発が必要不可欠であるとの判断に至った。ダイレクトドライブ方式のモーターを調達し、リアクションホイールの再組上げを次年度に行うこととした。
以上の実験のために技術支援者を雇用して作業を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

既存のリアクションホイールの性能では要求姿勢精度を満足できないことが判明したため、高性能なダイレクトドライブモーターを調達して、あらたに再設計・再製作したリアクションホイールを用いて制御試験を行う必要性が生じた。また、実機の干渉計ゴンドラを用いた制御実験において、姿勢制御シミュレーターを用いた予測とは大きく異なる振る舞いを示すことが判明したため、制御アルゴリズムに問題があるとの結論に至り、そのための改修が必要となった。

今後の研究の推進方策

制御試験において、ヨー軸(Z軸)の精制御の実験を実施し、アルゴリズムを改修したシミュレーションの結果との整合性を確認する。両者の一致が確認され、要求性能が満足されることを実証したのち、他の軸のリアクションホイールの改修に進む。また、姿勢制御のオンボードコンピューターのOSをLinuxベースに更新して、ドライバ回路も一新する。最終的に気球用大型ゴンドラの高精度姿勢制御システムとして完成させ、開発の成果をまとめる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] NASA Goddard Space Flight Center(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      NASA Goddard Space Flight Center
  • [学会発表] 日米共同飛翔体赤外線天体干渉計JUStIInE: Japan-United States Infrared Interferometer Experiment2022

    • 著者名/発表者名
      松尾太郎、David T. Leisawitz、金田英宏、芝井広、太田峻介、宮田隆志、上塚貴史、大薮 進喜、 松尾宏、江澤元、和田武彦、土居明広、米国JUStIInEチーム
    • 学会等名
      JAXA宇宙科学研究所2022年度大気球シンポジウム

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公開日: 2024-12-25  

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