研究課題
本研究は最新鋭の長波長電波望遠鏡によるシンクロトロン偏波・電波の観測によって、AGNジェットが銀河団ガスに対してどのように磁場・宇宙線・そしてエネルギーを供給しているのかを3年計画で究明するものである。特に衝突前期銀河団のCIZA 1359、衝突後期銀河団のAbell 3376、そしてクーリングフロー銀河団候補のPhoenixの、3つの特徴的な銀河団天体に焦点を当てて研究する計画である。●CIZA 1359の研究は、さらにAbell 1060についての研究へと展開させた。淡い電波放射の探索をCIZA 1359で獲得した較正変数の精査や自己較正の導入によって行った結果、過去に見つかったことのない広がった電波放射を発見し「オオコウモリ」と名付けた。オオコウモリは従来の理解ではどれも十分に説明できない大変奇妙な特徴を持っていることを明らかにした。PASJ誌にレター論文として成果をまとめた。今後の研究の展開が期待される。●Abell 3376の研究も発展させて、MeerKATの銀河団レガシーサーベイから屈折したジェットを選び出し、Abell 3322とCIZA 1410について研究を進めた。Abell 3322ではオメガ状に屈曲する理由について不安定性や乱流の観点からの議論を進めることができ、また構造関数の解析については共同研究者のプログラムとのクロスチェックを行うなど進め、論文の草稿作成にまで至っている。CIZA 1410では北東に伸びる構造での粒子再加速の兆候を見つけることができ、日本天文学会にて初期成果報告を行うまでに至った。今後、延期となってしまった2023年度に実施予定であったATCA追観測の結果を加えての論文取りまとめを目指す。●Phoenixについては位相補償解析まで徹底的に取り組んだが、検出には至らなかった。学生修士論文として取りまとめた。こちらも査読論文として出版を目指す。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)
Publications of the Astronomical Society of Japan
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IEEE Transactions on Applied Superconductivity
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https://www.nao.ac.jp/news/science/2024/20240408-mizusawa.html