研究課題/領域番号 |
21H01137
|
研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
亀野 誠二 国立天文台, アルマプロジェクト, 教授 (20270449)
|
研究分担者 |
永井 洋 国立天文台, アルマプロジェクト, 特任准教授 (00455198)
笹田 真人 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 特任助教 (10725352)
植村 誠 広島大学, 宇宙科学センター, 准教授 (50403514)
深沢 泰司 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 教授 (60272457)
秦 和弘 国立天文台, 水沢VLBI観測所, 助教 (60724458)
紀 基樹 工学院大学, 工学部, 講師 (70531234)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 活動銀河核 / 偏光 / ジェット / 磁場構造 / 活動銀河核ジェット / 多波長偏光観測 / 時間変動 |
研究実績の概要 |
本計画の目的は、電波・可視光による偏光モニター観測とVLBI撮像観測を組み合わせて、活動銀河核ジェットの磁場構造を調べることである。ALMA (アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計)では2011年以来ミリ波・サブミリ波帯で47天体の較正電波源をモニター観測している。較正電波源のミリ波・サブミリ波放射は活動銀河核ジェットによるシンクロトロン放射で、偏波角はジェットの磁場を反映したものと考えられる。多波長の偏光変動を比較することで、ジェットを較正するプラズマ中の磁場構造変動が伝播する様子を捉え、ジェットの生成・加速・収束における磁場の役割を解明する。 ALMAによる偏波モニター観測は継続しており、2022年度は10月から12月の期間にサイバー攻撃によって欠測した他は、得られた結果をAMAPOLA webサイト https://www.alma.cl/~skameno/AMAPOLA/ にて公開している。コロナ禍で渡航制限がある中でも、開発した偏波分光計を8月に野辺山宇宙電波観測所に設置し、EAVNによる偏波VLBI観測第1回を2023年3月に実行した。さらに、X線偏光観測衛星IXPEとALMAによるBL Lacの同時期協調観測を実行し、世界で始めてX線とミリ波・サブミリ波帯での偏波角が揃っていることを観測的に示し、論文Middei et al. (2023), ApJL, 942, L10にて報告した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍による渡航制限や観測所閉鎖が解除され、通常通りのモニター観測が再開されている。
|
今後の研究の推進方策 |
ALMAによる偏波モニター観測を継続し、webサイト https://www.alma.cl/~skameno/AMAPOLA/ でのデータ公開をリアルタイムに更新する。最終年度に当たって、偏波モニターの計測手法と測定精度をまとめた論文を出版し、広く研究に利用できるようにする。 EAVNによるVLBI撮像モニターを開始したので、偏波フレアに伴う磁場構造の変化を空間的に捉える。 赤外線・可視光・X線の偏光観測との比較によって、変動の時間差から構造関数を求め、磁場構造を推定する。これをVLBIの偏波撮像と比較して、磁場の空間構造とジェット内の電波を捉え、ジェットの生成・加速・収束機構を解明する。
|