研究課題/領域番号 |
21H01178
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
川本 竜彦 静岡大学, 理学部, 教授 (00303800)
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研究分担者 |
市山 祐司 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (90625469)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | マントル / カンラン石 / アンティゴライト / ディオプサイド / 炭酸塩 / 熱力学計算 / 二酸化炭素の地中貯留 |
研究実績の概要 |
プレートの沈み込み帯の深部では様々な岩石の反応が起きている。本研究では、MgO-SiO2-CaO-CO2-H2O系での反応を調べるために、高温高圧条件下でのマントル鉱物(カンラン石、アンティゴライト)にディオプサイドを加えCO2-H2O流体と反応させた。カンラン石はマントルの6割を占める主要鉱物で、アンティゴライトは蛇紋石の高圧で安定な鉱物で化学組成はカンラン石と直方輝石の中間の組成(Mg48Si34O85(OH)62)を持ち、水和したマントルを代表する。また、ディオプサイトはマントル鉱物の中でカルシウムを含む輝石の端成分である。 高温高圧実験は、本研究で静岡大学に導入した水熱合成実験装置を利用し、実験生成物の相同定にはラマン顕微鏡とエネルギー分散型検出器を有する電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM-EDS)を用いた。その結果、化学反応式を立式した。また、熱力学計算ソフトPerple_Xを用いて反応による固体体積変化を計算した。 Perple_Xを用いた反応前後での固体体積は、すべての反応を通じて増加することを確認した。その中で、アンティゴライトの炭酸塩化よりもカンラン石の炭酸塩化の方が固体体積の増加率が大きいことを確認した。これは、アンティゴライトの炭酸塩化では脱水反応を伴い、カンラン石の炭酸塩化では吸水反応を伴う影響を示す。 マントル岩は高い二酸化炭素固定能力を持っていることから、地球温暖化の対策として二酸化炭素の地中貯留が提案されている。固体体積の増加は二酸化炭素の通路を塞ぐことによって、二酸化炭素の固定を困難にするのだろうか。仮にそうだとすると、新鮮なカンラン岩を炭酸塩化するよりも、蛇紋岩を炭酸塩化する方が体積増加率は小さい。オマーンオフィオライトの炭酸塩岩石もマントルが直接炭酸塩岩に変化せずに蛇紋岩を経た可能性が高いと推論する。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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