結晶性高分子材料のPE,PEEK,PPの弾性状態での応力評価に適する回折面を,X線的弾性定数の観点から明らかにした.また,PE,PP,POMの引張塑性変形材においては,X線の回折強度,回折線幅,およびX線的弾性定数が塑性ひずみに依存することを明らかにし,変形方向からの角度に対する分布から塑性ひずみが推定できることが示唆された.プラスチックはX線が深くまで侵入するが,侵入深さ一定法を用いることによって,極表層のX線情報を抽出し,局所化された損傷を評価した.さらに,疲労破面にX線法を適用し,応力比および最大応力拡大係数を,回折強度や回線プロファイルの幅から推定できることを示した.
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