研究課題/領域番号 |
21H01208
|
研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
大塚 雄市 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (80467084)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | オーセチック構造 / 界面破壊力学 / フレッティング疲労 / フレッティング摩耗 / 赤外線カメラ / アコースティックエミッション |
研究実績の概要 |
1形状・トポロジー最適化によるオーセチック構造設計 1-B 形状最適化による接触応力制御 オーセチック構造体の形状モデルと負のポアソン比,降伏荷重に対しての多変量解析を実施し,曲率などの形状と,界面特異性との非線形関係を導出することに成功した.これにより,任意のポアソン比を有するオーセチック構造体の形状変数を導出することが可能となった. 1-C 位セル内切欠き部の疲労特性最適化 1-Bにて得られた多変量解析に基づき,目的とするポアソン比に近接でき,かつ曲率を低下することで応力集中係数を低下させる構造を同定することに成功した. 2.オーセチック構造のフレッティング疲労機構の解明 2-B オーセチック構造の疲労強度評価 オーセチック構造体の圧縮試験をAEと赤外線カメラによるマルチモーダル計測により実施し,切り欠き部での損傷が想定通り生じることを確認した.そして,当初予定より進捗させ,オーセチック構造体と模擬骨の接合構造体の圧縮試験を実施し,オーセチック構造によりオーセチック構造ー模擬骨界面でのはく離が抑制されていることを実証することに成功した. 3 オーセチック表面の疲労損傷による臼蓋カップのゆるみ評価 骨劣化などによる模擬骨の弾性率の低下を再現する損傷力学モデルを導入した有限要素解析位より,沈降変位が促進される結果を得た.そして,骨リモデリングにより回復する挙動を導入することで,局所的な損傷が抑制されることを明らかにした,
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1形状・トポロジー最適化によるオーセチック構造設計 については,対象とする生体骨の弾性率・ポアソン比に対し,界面特異性を消失させるためのオーセチック構造体の構造因子を具体的に導出するための非線形解析式を導出することに成功した.そして,有限要素解析と界面特異応力場の固有値解析を実施し,応力特異性が消失することを確認することができた. 2.オーセチック構造のフレッティング疲労機構の解明 オーセチック構造体の疲労試験は完了していないものの,当初予定よりも大幅に前倒ししてオーセチック構造体・模擬骨の圧縮時の界面剥離の様子を実験的に観察することに成功した.今後界面特異性を意図的に高めた構造などの圧縮試験との比較により,提案する設計手法の有効性を示すことが可能と期待されるため,上記の評価とした.
|
今後の研究の推進方策 |
2オーセチック構造のフレッティング疲労機構の解明 オーセチック構造と模擬骨の接触試験片を活用したフレッティング摩耗試験を実施し,耐久性を評価する.
3 オーセチック表面の疲労損傷による臼蓋カップのゆるみ評価 オーセチック構造体を表面に有する臼蓋カップを実際に3Dプリンタで制作して,ゆるみ試験を実施し,ゆるみが抑制されているかどうかを検証する.
|