研究課題/領域番号 |
21H01221
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
山田 浩之 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 准教授 (80582907)
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研究分担者 |
洞出 光洋 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 准教授 (30583116)
小笠原 永久 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 教授 (60262408)
樋口 理宏 金沢大学, フロンティア工学系, 准教授 (50455185)
坂井 建宣 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (10516222)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | マルチレイヤーインデンテーション法 / ひずみ速度依存性 / 高密度ポリエチレン / 動的 / 衝撃 / 分子動力学 |
研究実績の概要 |
本研究では,変形レイヤーのワンパス横断によりミクロからマクロの力学特性を連続的に評価できる「マルチレイヤーインデンテーション法」を開発し,ミクロとマクロを繋ぐことで真のマルチスケール材料力学の学理基盤を作ることを目的としている。初年度は,試験装置の開発,評価対象の材料選定などを行った。 マルチレイヤーインデンテーション法の基礎となる試験装置の開発は,速度域で2種類に分けることとした。準静的から動的ひずみ速度範囲は,ステッピングモーターを利用して広範囲の速度環境に対応させた装置を試作した。また,今後,X線分析などのその場観察も対応可能な形状とした。ロードセルは付け替えることで最大5Nに対応しており,マイクロからミリスケールのレイヤー横断と,荷重が急増する2段インデンターにも対応させた。一方,衝撃インデンテーション試験には,高感度に対応するMEME半導体ひずみゲージが必要であり,試作を行った。ゲージ長を40μm以下を目標として,数パターン試作しており,今後,その性能評価が必要である。 材料は,高密度ポリエチレンを対象とすることとした。準静的から衝撃のひずみ速度範囲の圧縮特性を評価し,変形中の微視構造の変化をSPring-8において評価を開始した。一方で,マイクロインデンテーション試験を開始し,基礎的な速度依存性評価を行った。同時に,ナノインデンテーション試験も行っているが,こちらは結果が安定せず,今後改善を行っていく。同時にナノインデンテーション試験の分子動力学による解析も開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
装置やMEME半導体ひずみゲージの試作に時間がかかってしまい評価が遅れているが,想定の範囲内で,次年度で十分に成果として追いつくことが可能である。一方で,試験対象とした高密度ポリエチレンの変形機構のひずみ速度依存性において,非常に興味深い知見が得られており,総合的には順調な研究成果が得られていると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は試作した試験装置を用いて,高密度ポリエチレンを対象に試験を実施する。MEME半導体ひずみゲージについては,試作を重ねて最適なものを設計する。同時に,高密度ポリエチレンの変形機構のひずみ速度依存性の解明も研究テーマとして推進する。数値解析によるインデンテーション試験再現として,粗視化シミュレーションによるインデンテーション試験を実施する。
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