角度は長さとともに物体の形状,運動を記述する基本的な幾何の要素である.精密加工システムの角度誤差測定,機械部品・光学部品等の形状計測,プローブ顕微鏡のたわみ角度測定など様々な生産・加工分野において角度の精密計測が必要となる.また,サブ100ピコメートル精度が求められる次世代生産においては,測定の信頼性を国家標準に照らして保証する体系(トレーサビリティ体系)の確立が求められる.本研究は,デュアルコム分光を用いて,長さの国家標準に対して,トレーサブルな角度計測を実現し,精密なものづくりに対して利用できる手法を提案した.ナノテクノロジーを支える手法を考案したことは十分に社会的意義があると考えている.
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