研究課題/領域番号 |
21H01243
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
徳増 崇 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (10312662)
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研究分担者 |
寒川 誠二 東北大学, 流体科学研究所, 特任教授(客員) (30323108)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | プラズマ援用化学気相体積法 / 表面反応 / 反応分子動力学 / 表面拡散 / 化学結合 |
研究実績の概要 |
2021年度は、プラズマ援用化学気相体積法(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition: PECVD)プロセスにおいて、H原子を含む、もしくは含まないSi(100)-(2×1)表面上のSiHx(x=2-4)の表面反応機構に対する基板温度の影響を明らかにするために、ReaxFF MDシミュレーションを実施した。既存のポテンシャルパラメータは、DFTで得られた気体分子の結合解離エネルギーに合うように最適化した。ガス分子の反応性に応じて、基板Si原子または被覆H原子の熱運動は、基板温度が高いほどガス分子を脱離する傾向が確認された。また、H原子を含まない清浄なSi基板上では、反応性の低い分子であるSiH4の場合、基板温度が低いと、表面拡散時にガス分子とSi原子が化学結合を形成するため、化学吸着確率が上昇する。一方、基板温度が高くなると、基板上のSi原子の熱運動によってガス分子が脱離するため、化学吸着確率は低下する。SiH3およびSiH2では、基板温度の上昇に伴い化学吸着確率はほぼ一定となる。H原子を取り込んだSi基板上では、反応性の高い分子であるSiH2に対して、基板温度が低い場合にはH原子を取り込むことで化学吸着確率が高くなり、基板温度が高い場合にはH原子を取り込んだ後の脱離により化学吸着確率が低くなる。SiH4とSiH3の化学吸着確率は、速やかに反射または脱離するため、ほぼ一定である。熱運動による脱離が表面反応に及ぼす影響は、H原子を含まない表面では反応性の低いガス分子、H原子を含む表面では反応性の高いガス分子で顕著であることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、前年度構築された計算系を用いてPECVDシミュレーションを行い、分子の衝突を様々なケースに分類し、その確率を算出することができた。概ね研究計画通りにすすんでいるため、順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後はこの確率をモデル化して、さらに大規模な計算系に適用することが必要であると考えている。そのためにはさらに多くのデータを取得してデータベースを作成する必要があると考えている。
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