研究課題/領域番号 |
21H01271
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
年吉 洋 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50282603)
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研究分担者 |
橋口 原 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (70314903)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | MEMS / 振動発電 / エナジーハーベスタ / エレクトレット |
研究実績の概要 |
本研究は、IoT無線センサ等の自律電源として有力視されているMEMS型環境振動発電素子の発電効率と素子信頼性を高めるための研究として、機械-電気エ ネルギ変換材料であるシリコン酸化膜由来のエレクトレット(永久電荷)膜の電荷密度が経時変化するメカニズムを実験および分子動力学的手法を用いて解析した。また、特性劣化を抑制する手段として、エレクトレット材料の表面保護膜による水分子吸着の防止や、エレクトレット膜中へのバリア層挿入によるシリコン 基板側からのキャリア侵入抑制などの対策を施し、その効果を検証した。さらに、これらの知見と対策を活用して、エレクトレット電位が10%劣化するまでの 時間を10年以上に改善した高信頼性エレクトレット振動発電素子を実証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
エレクトレットの帯電電圧が劣化するメカニズムとして、(1)エレクトレット膜表面への空気中の水分の吸着、(2)エレクトレット膜中への水素分子の拡散、(3)振動発電素子の実装方法の影響の3点を実験的に検証した。特に本繰越分予算による取り組みとして、(1)を回避するための自己組織化単分子膜の効果の検証と、表面物性評価実験系の準備、および、帯電評価系の設計と帯電装置の改造を行った。この取り組みにより、エレクトレット電位の緩和過程の観察と、電位劣化の抑制手法を検討する実験を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
エレクトレットの劣化を定量的に精度良く検証するために、エレクトレット膜の帯電電圧を高速かつ高精度で計測する必要がある。そこで本研究では3端子構造のMEMS振動発電素子を用いて静電誘導電流を計測しつつ、外部から印加したDC電圧によってエレクトレットの効果が相殺された点でエレクトレット電位を同定する新しい計測手法の確立に取り組む。
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