研究課題/領域番号 |
21H01302
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中村 健二 東北大学, 工学研究科, 教授 (70323061)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 磁気ギヤードモータ / 磁気的相互作用 / 電気自動車 / インホールドライブ方式 |
研究実績の概要 |
本年度は、磁気的相互作用を考慮した磁気ギヤードモータのトルク式の導出と妥当性の検証を行うとともに、磁気的相互作用が諸特性に与える影響について検討を行った。 まずトルク式の導出については、磁気ギヤードモータのギヤ部とモータ部の各種磁束を同一のd-q座標上にベクトルで表し、このベクトル図からギヤ部とモータ部の磁気的相互作用を考慮したトルクの理論式を導出した。次いで、このトルクの理論式の妥当性を明らかにするため、有限要素法(FEM)による電磁界解析を用いてトルクを計算し、理論式との比較・検討を行った。その結果、両者は良好に一致した。さらに、小型の磁気ギヤードモータを用いた検証実験とも比較を行った結果、実測値とトルク式による算定値は良好に一致したことから、トルク式の妥当性が明らかとなった。 次いで、磁気的相互作用が磁気ギヤードモータの力率や効率に与える影響について評価を行った。2次元FEMによる検討では、埋込磁石型(IPM)の磁気ギヤードモータは、モータ部と磁気ギヤ部の間で磁気的相互作用が生じることを明らかにした。また、磁気的相互作用の影響について、電圧方程式およびベクトル図を用いて考察し、IPMは負荷が増加すると力率が変化することを明らかにした。続いて、考察の妥当性検証のため、3次元FEMを用いてIPMの力率および効率の算定を行った。その結果、IPMは磁気的相互作用の影響で負荷の増加によって力率が変化することが明らかとなり、考察の妥当性が示された。また、効率および力率の算定結果より、IPMを高効率・高力率運転するには進み電流位相で駆動するのが良いことが明らかとなった。最後に、IPMの試作機を用いて検証実験を行った結果、測定結果と算定結果が定性的に良く一致したことから、考察の妥当性が実証された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画通り、磁気的相互作用を考慮した磁気ギヤードモータのトルク式の導出とその妥当性を明らかにするとともに、磁気的相互作用が諸特性に与える影響についても明らかにすることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、今回得られた知見を活用して、磁気的相互作用をより効果的に利用可能な磁気ギヤードモータの設計手法の確立、並びに最適制御手法の確立を目指す予定である。
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