持続可能なエネルギー社会の実現に向けて、発電方式の再生可能エネルギーへの転換が強く求められている。そのためには、太陽光発電や風力発電の発電電力変動の補償や、発電と電力消費を瞬時に均衡させる高度な制御を可能とする次世代電力ネットワークの実現が不可欠である。本研究では、次世代電力ネットワークの実現に向けて、プラグ・アンド・プレイ電力インターフェイス変換器が多数接続された電力ネットワークを安定に運用するため、適応機能による同一系統内多数共存技術を開発する。これにより、プラグ・アンド・プレイ電力インターフェイス電力変換器の汎用性や柔軟性を最大限に発揮でき、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた次世代電力ネットワークの実現に大きく貢献する。 令和5年度は,令和3年度に導入したHILを用いて、プラグ・アンド・プレイ(PnP)電力インターフェイス(IF)変換器を模擬し,これに高速電流制御インバータを組み合わせ,最大4台までのPnP電力IF変換器を等価的に実現できる実験評価システムの構築した。さらに、この評価システムにおいて、PnP電力IF変換器を多数台接続した場合に問題となることが予想されるビート現象回避のための適応的スイッチング周波数設定技術、不安定現象を回避するアクティブダンピング制御の動的ゲイン設定技術、高調波抑制LCフィルタ多数台接続時の動的共振回避制御について、これまでのシミュレーション結果に対応した実験的検証を行った。あわせて、電力変換器の故障に伴う事故電流の高速抑制制御に関して、高速電流抑制制御などの具体的対処法の検討を進め、実験的検証を行った。 以上を踏まえ,対外発表や論文とりまとめに向けて,研究成果を整理した。
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