研究課題/領域番号 |
21H01310
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
竹下 隆晴 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70171634)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | パワーエレクトロニクス / DC-DCコンバータ / 高周波絶縁 / 電力変換器 / 充電器 |
研究実績の概要 |
持続可能な開発目標 (SDGs) に向けて,直流電力供給システムや電気自動車などの新たな開発が進められる。直流配電における電力変換器やガソリン車の給油時間と同程度の充電時間とする急速充電器などにおいては,安全性を確保した高周波絶縁型の大容量高効率DC-DCコンバータの開発が必要になってくる。本研究では,高周波絶縁型単方向SR-SABコンバータ(Secondary-Resonant Single-Active-Bridge DC-DC Converter)を提案する。SR-SABコンバータは,一次側回路はアクティブなHブリッジ回路で,二次側は小容量キャパシタを並列接続したパッシブなダイオード整流回路でそれぞれ構成され,さらに損失を低減するソフトスイッチングを実現できる点に大きな特徴がある。SR-SABコンバータの出力電力制御および応用回路として,具体的に以下の3項目を実施している。 1.高周波トランスの周波数制御による出力電力制御の確立では,SR-SABコンバータの高周波トランスの周波数を変化させる出力電力制御法を提案した。高周波トランスの周波数による出力電力制御理論を導出した。さらに,シミュレーションと実験により基本特性を確認した。 2.一次電圧波形制御による出力電力制御法の確立では,SR-SUBコンバータの一次電圧波形の零電圧期間を変化させる出力電力制御法を提案した。一次電圧波形の零電圧期間による出力電力制御理論を導出した。さらに,シミュレーションと実験により基本特性を確認した。 3.大電力のための三相SR-SABコンバータ回路と制御法の確立では,三相回路構成について検討した。三相トランスのY-Y結線で三相SR-SABコンバータの理論解析をし,ソフトスイッチング条件などの基礎特性を明らかにした。さらに,シミュレーションおよび実験で基本特性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1.高周波トランスの周波数制御による出力電力制御の確立では,計画通り,理論導出,シミュレーション,実験まで実施できている。 2.一次電圧波形制御による出力電力制御法の確立では,当初計画の理論導出,シミュレーションに追加して,実験まで進み,当初計画以上に進展した。 3.大電力のための三相SR-SABコンバータ回路と制御法の確立では,計画通り,理論導出,シミュレーション,実験まで実施できている。 以上により計画以上に研究を推進でき,さらに,今年度の成果として5編の学術論文と1編の口頭発表をしており,「当初計画以上に進展している。」とした。
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今後の研究の推進方策 |
研究目的に示した3項目について次の通り具体的に計画をしている。 1.高周波トランスの周波数制御による出力電力制御法の確立では,SR-SABコンバータの出力電力制御法として,高周波トランスの周波数制御法を提案している。周波数による電力制御の理論を,シミュレーションおよび試作システムによる実験により,理論の有効性を検証する。 2.一次電圧波形制御による出力電力制御法の確立では,SR-SABコンバータの出力電力制御法として,一次電圧波形の零電圧期間を変化させる方法を提案している。SR-SABコンバータの出力電力は,1周期間における零電圧期間を長くすることで,出力電力を低減できる。零電圧期間による出力電力制御の理論特性と,シミュレーションおよび実験による基本特性とを比較し,理論の有効性を確認する。さらに,高速な出力電力制御法のためのスイッチング制御および過渡応答を導出する。 3.大電力のための三相SR-SABコンバータ回路と制御法の確立では,電気自動車等のバッテリの充電時間短縮のためには,大電力化が必要であり,提案SR-SABコンバータの三相回路構成について検討する。三相トランスの一次側回路は三相フルブリッジインバータ回路,二次回路は小容量キャパシタをダイオードに並列接続した三相ダイオード整流回路でそれぞれ構成した三相SR-SABコンバータ回路を検討する。三相トランスの結線としてY-Y結線の設計法と実験による効率等の基本特性を明らかにする。さらに,三相トランスのΔ-Y結線における三相SR-SABコンバータの理論解析をし,ソフトスイッチング条件などの基礎特性を明らかにする。結線法による各回路の特徴をシミュレーションおよび実験特性からまとめる。
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