超スマート社会を支えるために,通信システムのセキュリティ向上は重要課題の一つである.光の量子雑音の存在により信号の盗聴を直接的に防ぐ物理レイヤ暗号化を,光有線と電波無線伝送を統合した通信システムにて実現する研究を実施した.アナログ光強度変調による短距離の光ファイバ伝送後に,直接検波により電波帯にて暗号化信号を発生し,これをミリ波帯に変換して無線通信する実験を行った.暗号化により光と電波の双方の信号に対して定量的に安全性を保証したうえで,ギガビット毎秒以上の高速通信が実現できることを実証した.送信機構成の簡略化にも成功するなど,当初想定を超える成果を挙げることができた.
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