研究課題
電流注入利得スイッチ半導体レーザーに、通常の最大定格を大きく超える限界的に強い駆動を高速電気パルスで加えること(限界駆動)によって、非摂動領域の極端非線形応答を引き出して、超短光パルスを発生する方法を研究した。実験において、パッケージ済み試料と、高速短パルス駆動電源をつなぐ際に、高速電気パルスのバンド幅の劣化や反射などを起こさずにつなぐために、新たな冶具を開発した。開発した冶具を用いてRFコネクタを経由する方法と経由しない方法の両方について、実験を行った。高速フォトダイオード(PD)と高速サンプリングオシロスコープからなる測定系で、出力光パルスの励起強度依存性を計測した。高速短パルス駆動電源自体のジッターの影響を低下が問題になることが解ったので、それを回避する方策を工夫した。多数の試作素子の測定結果から、それぞれのデバイスパラメータおよび電気的制御パラメータに対して、パルス幅、立ち上がり、立下り、遅延、チャープなどのデータを抽出し、それらをデータベース化した。また、市販品中で最速の変調帯域 30 GHzの1270 nm DFB-LDの利得スイッチ動作の実験も進めた。約90psの幅の電気パルスを注入し、分散補正用にシングルモードファイバを透過させ、それ以外のスペクトルフィルタリングや非線形パルス圧縮など付加的な手法を用いることなく、最短の5.3psパルス幅のフーリエ限界に近い光パルスを発生・評価分析した。これらの実験結果を、理論計算と比較した。理論計算としては、2012年Chenらの非線形利得レート方程式理論と比較した。DFBレーザーについては、伝送行列法(TMM法)を用いて素子を詳細にモデル化し、その素子モデルに対して、非線形利得レート方程式理論計算を行った。パルスの線形チャープと非線形チャープの様子が、理論と実験で定性的によく一致した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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