現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究ではAサイトにTi, Cr, Mn, Al, Ga、BサイトにCa, Sr, Ba, 希土類元素を配置したペロブスカイト構造を持つ導電性酸化物を候補物質として、以下のような物質設計の指針の下で多くの導電性中間層候補物質を合成し、薄膜を作製し、その特性を調査してきた。 (a) Bサイトの主成分はTiもしくはMnとし、Aサイトの平均価数を変化させることでキャリア導入を行う。或いはTi, Mnと異なる価数の元素でBサイト置換することで、キャリア導入を行う。 (b) Cuや遷移金属元素など、イオン半径の小さな元素の拡散を抑制するために、BサイトにはTiあるいはMnとイオン半径が異なる元素を置換して、拡散経路の周期性を乱す。 (c) Baや希土類など、イオン半径の大きな元素の拡散を抑制するために、AサイトにはBaとCa、Baと希土類などイオン半径や価数が異なる元素を置換して、拡散経路の周期性を乱す。 (d) 酸素イオンの拡散を抑制するために、酸素空孔濃度を下げるように組成調整する。また、格子間に酸素イオンが侵入しにくいように、格子定数が小さくなるようなペロブスカイト酸化物を設計する。 そしてこれまでに、新しくREがLaあるいはNdである (Sr1-XREX) TiO3が低い抵抗率を持ち、YBa2Cu3O7との格子整合性も良く、酸素拡散速度が遅いことを発見している。
|